4話 はじめての魔物退治

「このくらいでいいかな?」


 俺は今、準備をしていた。なんの準備かと聞かれたら魔物退治の準備である。とはいえあまり持っていくものはない。

 今日は日帰りだから持っていくのは水筒と土魔法を使って作った木剣と木の盾しかない。

 この木剣と木の盾は変化を使い作った物だ。変化は元素記号の変換や配置などは変えれないが、形を変えれるので(逆を言えばそれしかできないのだが…)そこら辺にあるただの木で作ったものである。

 バックに関しては収納箱アイテムボックスがあるから心配はない。

 この魔法は魔力を消費して使うもので時が流れているので当然腐ったりもする。

 長期保存は向いていない。


「行くとするかな…」

「どこに行くの?」


 馬鹿な?!シルフィだと…。なんとか誤魔化さないと。


「ちょっと出かけるだけだよ」

「どこに行くのって聞いてるの!」


 どうすればいい?ここで馬鹿正直に言ったところで止められるだろう。かと言って嘘をつけばついてこられるからな…。ここは必殺技の出番だ!


「内緒」

「内緒って怪しい…」


 で、ここで強引に!


「あ、もう行くね」

「え?あ、ちょっと!」
















数分後


 なんとか撒いたかな?これで安心だ。さっそく森に入るとしよう。


「はじめて入るな…」


 森は大人たちによって入ってはいけないと言われているので今までは行ったことがない場所だった。とはいえ前の世界の森とあまり変わらない気がするのだが…強いて言えば虫がいないことか?

 鳥はいるのだが虫が一切見当たらないのだ。

 ?!茂みから音が聞こえた気がした。


「いるのか?」


 おそらくゴブリンの方だと思う。スライムは茂みの音なんかを出さずに近づいてくるらしいのだ。


「?!いた!」


 見つけた!これはゴブリンの方だ。さっそく魔法を使うとしよう。はじめての攻撃魔法である。


火弾ファイヤーバレット


 これは火の初級魔法で威力がとてつもなく弱い。本来は、俺の場合は転生者だから、威力が中級レベルまでいくことができる!


「ガァァァァ!」

「くるか?!!」


 おやこれは、どうやら焼け死んだみたいだ。このゴブリンは錆びた鉄剣と古びた腰布をしていた。


《無臭化》


 死体を漁る前に悪臭についての魔法をかけておく。見た目はどうしようもないが悪臭はどうにかなるからな。腰布の方は燃えてしまったが鉄剣の方はこれは土魔法の変化で錆びた部分をなくせるので使えるようになるだろう。


 あとは何かあるのだろうか?

 これは?!お金である。ゴブリンってお金持ってんだとか一瞬思ったがこれは旅人の遺品だろう。おそらく鉄剣も旅人のだろうな。

 お金は石貨が3枚のみだった。これはお金で言う1ピソで1ピソは100円であるつまり300円である。

 通貨はこんな感じだ


 銅貨=1=100円

 銀貨=10

小金貨=50

 金貨=100

白金貨=500

聖金貨=500(教国のみ白→聖)

 民貨=1,000

大民貨=5,000

 王貨=1,000(王国のみ)

大王貨=5,000(王国のみ)

 帝貨=1,000(帝国のみ)

大帝貨=5,000(帝国のみ)

 教貨=1,000(教国のみ)

大教貨=5,000(教国のみ)

 龍貨=10,000

大龍貨=50,000

 神貨=100,000

大神貨=500,000


 やけに種類が多いが気のせいだろうか?まあこの国家限定の貨幣もあるのでそれで多く見えてるだけだろう。それにしても上の貨幣とかの大神貨なんかは一生見ることもさわることもないだろう。5,000万円とか頭イカれてるとしか思えない。実際大神貨なんてのは国同士の取引でも使われなく。賠償金で使うことがほとんどだ。単位が多くて逆に使用しづらいらしい。なんで作ったのか疑問に思うレベルだ。まあ俺には関係ない話だ。


 国を経営するなんてのはごめんだし戦争もごめんだ。それに負けたら処刑されるからリスクを考えるとやらない方が吉だろう。リスクとメリットが釣り合っていない。リスクの方が高い気がする。


 それに戦争はゲームは好きだが実際にやるとなるとうまくいかないだろうし、架空の世界だからこそ安心できるのに現実でやるのは俺的にNGだ。情緒不安定にもなると思うな。


 そんな時に命令しても無茶な命令になるだろうし人殺しなんかはもちろんやったことがない俺にとってはそんなことになるのも無理はない話だ。

 それこそ頭が腐っているのならまだしもな。


 話が逸れたな…。

 魔物が普通にいる森なのだ。警戒しないといけないよな。


 ?なんか音がしたな…。


その時だった草むらから青色のよく見るスライムが現れたのだ。


「話が違うじゃないか…なんで音がするんだよ…」


 俺は冷静にさっき使ったやつとは違うのを使おうと思い。とりあえずで選んだ魔法を使った。


水刃アクアブレード


 魔法を放つとスライムを真っ二つにして消えた。地面にはなんの跡も残っていない。

 ちなみにこれは水魔法の初級魔法だが火弾ファイヤーバレットのやつの水魔法版の水弾ウォーターバレットもあるのだが同じ魔弾系なので今回は違うのにした。


 水刃アクアブレードの威力はそこそこだな。弱くもないし強くもない。まあ初級程度などこのぐらいだろう。

 今回も魔力を多く込めたが威力は変わらないみたいだ。この魔法は回転力と噴出力の方が重要そうだな。少し試してみよう。


 まずは普通に何もせずに放ってみる。


水刃アクアブレード


 威力は弱い的として木に当てているのだがかすり傷すらついていない。本当に弱い魔法だな。そう考えるとスライムもほんとにドラ○エみたいに弱いのか。いやまあ魔王になってるスライムいるけどね。


 次に魔力を上げてみる。


水刃アクアブレード


 威力は変わっていない気持ち強かった?ぐらいで誤差の範囲だ。


 次は回転力の増加だ。


水刃アクアブレード


 すぱっ!といい音がして木が切れたようだ。これはやばっ!こっちに倒れてくる!


 バン!バラバラバラ…と音が聞こえた。

 俺は間一髪でなんとか木を避けることができた。危ないな。これは土魔法で的を作るとしよう。


 まずは木に変化の魔法をかけます。ちょうどよく切っちゃったのがあるのでこれを使いましょう。


《変化》


 これでいいでしょう。変化の魔法を使い形をよくみる的の形にしたら次はそれを土を少し掘り的の下を埋めたらこれで完成です。


 最後の実験だ。噴出力の増加だ。


水刃アクアブレード


 これは的は綺麗に真っ二つされ後ろの木に深い切り傷ができた。やはり…と言う実験結果になった。


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貨幣制度が変わりました。より見やすくわかりやすくしたつもりです。

具体的には石貨、鉄貨、魔貨が無くなりました。それと王国のみの貨幣などが追加されました。

そしてこれの=で書かれている数字はピソという架空の単位です。1ピソ=100円換算です。単位は大陸により変わります。

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