〜序章〜

0話 プロローグ

俺の名前は雨栗あまぐり雄也ゆうや高校二年生で15歳だ。

 なんてことない普通の人生、特に不満は無い。

 両親はすでに他界しており、妹が一人いるが夏祭りに行っている。

 かくいう俺も彼女であるみおに夏祭りに行かない?と誘われてそれを認めているから、行かなければならない。


 今年、付き合ったばかりだが幼馴染であるため、親友たちと共に一緒に行ったことはあるが二人きりなのは初めてだから何気に緊張していたりもする。

 俺が一人で待っていると、来たみたいだな。


「ごめん待った?」

「今、来たばかりだよ」


 必要な嘘ってあるよね。


「ならよかった」

「いこっか」

「うん」


 その時に事件が起きた。ギャーーーとかプジャーーーとか聞こえる。誰だ2番目のふざけてんのか。声がした方向を見てみると…あれは無差別殺人なのか?


 刃物を持った男が狂ったように暴れている。幸いまだ死人はいないようだが、最初に襲われたのだろうか?1人の男性の腕が切られている。不味いな、逃げるか、そう思ったその瞬間。あの男が澪の方に向かって来ていた。

 危ない!そう感じた俺は咄嗟の判断で澪を庇った。


「危ない!!」


 その瞬間だったお腹に強い痛みが出てきて熱かった。


「このクソガキ!邪魔だ!退け!」


 なんとかまだ生きてはいるようだが死ぬのも時間の問題だ。

 だが俺に攻撃した隙を狙って大人たちがあの男を取り押さえていた。


「良かった。無事みたいだね…」

「よくないよ!大丈夫なの?!」

「全然大丈夫じゃない。死ぬかも」

「えっ。嘘だよね」


 そうゆうと澪が泣き出した。すると次第に感覚がなくなっていく。


「うっ…熱い」


 刺されたところが熱い。これが死なのか


「死んじゃだめっ!」


 澪がなんか言ってるがもう何言ってるのかもすらわからない。


 ダメだ。今度は寒くなってきた。血がなくなっているのだろう。これは間に合わないな。今、救急車が来てももう間に合わないだろう。


「げんきでな…」

「雄也、ねえ返事してよ。ねえってば!嘘でしょ…そんな…うあああああああ!!!!」


 こうして雨栗雄也は死んだ。実に呆気ないものだった。

 しかしこれが次の時代の幕開けだと知ることはない。そして名前を歴史に刻む人物となるのだがまだ誰も知らなかった。



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