課題の前のひととき。
空透
1話目:見失う僕、僕たちと僕。
。
泣きたい。そう思った。願った。
泣いたら楽になるんだろうって。
僕は夢もあるし、まっすぐ進んでるし、幸せ
そうだと思う。
でも今は、怖いんだ。
見えない何かに落ちる感じがする。
重力が強く強く僕を引っ張って落ちても落ちても落ちきれなくて。
どすんという音もしない。
底がない暗い筒に引き込まれてるみたいなんだ。
。。
小さい頃ブラックホールのお話を見た。
なんでも吸い込んでいく。
僕も吸い込まれるのだろうか。
吸い込まれたらどこにいくのだろうか。
出口なんてホワイトホールなんてあるんだろうか。
僕はこのままどこにいくのだろう。
吸い込まれていく。
。。。
周りにあるものが仮面をかぶっているように見える。
僕も僕の感情も仮面をかぶっているような。
激しいテンション、どれが”本当”の僕かなんてわからない。
ここは止まっている鏡の部屋?
いろんな僕が止まって映し出している。
「君、何したいの?」
「僕、わからないよ、でもね・・・」
そう言っている声たちが聞こえる。
僕たちは僕たちで
きっと僕なんだ。
わからなくてもいいから、僕たちと一緒に歩いてみようかな。
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