禁断の拳

特にボクシングやってたワケじゃないけど

常に利き手にバンテージ巻いて

「俺はこうしておかないと拳が壊れる」設定を出していた。

中二病と言うより高校生だったので拗らせた類である。

別にボクサーは練習以外の日常ではバンテージ巻かないだろうが

一流は拳を常に守る。と言う謎の美学に陶酔していたんだ。


特に利き手の右手は「禁じ手の殺しのフォビドゥン・ライト

と言う一日に全力での使用が3回までと決められている設定だ。


しかし、バンテージ巻いて生活すると、ペンを握るのも難しくなる。

最近は理科の教師が勝手ながら気に喰わないので

原初にして禁断のバンテージである「契の封印帯コントラクト・ベルト

を巻き付けて、手の甲辺りに巨大な目の様な絵を油性ペンで書き込んだ。

よりにもよってその理科の教師が俺にこの問題解いて見ろと指図して

黒板に書かせようとする。ふざけるな。お前を倒れ骸にしないように

こっちは暴走する拳を封じ込めているんだぞ。予習なんかしている暇は無い。


体感10分ぐらいの30秒の沈黙。答えられないと負け。大人と言うのは汚い・・・

そうやって何でも知った風に振舞ってるのが愚かである事を知らしめたい。

苛立ちが先行して理性が千切れ飛んだ。

「あぁぁぁぁ!!!」俺は何を思ったか「禁じ手の殺しのフォビドゥン・ライト

を誰かに止められるまで黒板を殴り続けた。恐らく5回目だったと思う。

中途半端な角度で黒板を叩いたが故に手首の骨がブツン!と言う感じで外れ

あっという間に痛みで悶え苦しむ事に。

その後、めっちゃ担任の先生と親で三者面談して叱られた。

今でも手首の脱臼癖が残り、あの頃を思い返す度に

「ンモハッ」とか変な声が出てしまう後遺症が出る様になった

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