第9回 常識と非常識

 常識とは普遍性である。この普遍性、たとえば「共通認識」とか「認知の共有」とかと言い換えうるかもしれない。そしてこの普遍性が、コミュニケーションの円滑化においてもっとも重要となる。なぜか。コミュニケーションを成立させるためには、コミュニケーション当事者・当事者間・コミュニティ内(以下当事者)の前提の認識として情報を共有しておく必要があるからである。この前提が冒頭の共通認識や認知の共有に相当する。常識とは所詮その程度なのである。認知や認識が共有されていない場合、非常識、ということになる。

 認知主体や認識主体は「当事者」のみである。当事者でのみの普遍性。これが常識である。言い方を変えると、当事者以外は非常識である、ということになる。

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