9/8(水)、9/10(金) マーフィーの法則

 雨合羽を新調した。以前は山用の雨合羽を使用していた。しかし、登山用のなら問題ないだろうとたかを括っていたのだが、東北ツーリングで分からされた。この程度の防水では雨が染み込むのである。バイク走行中の風が原因だ。

 ネットで調べると、ワークマンから発売されているイージスという雨合羽がおすすめされている。早速買いに行くと、かなりのカラーバリエーションが売り場に並んでいた。やはり人気商品らしい。さらには、バイク乗り用のイージスまで販売されている。ジャケットの上から羽織れる、LLサイズを買った。約6000円。収納用の袋も付いており、お買い得だ。

 さて、この話題とタイトルから察した方も多いだろう。今回はツーリングというよりは、ただの愚痴である。


 会社へ行くのが面倒になった。出社したくない。別に厳しい業務ではないのだが、ただ単純に面倒なのだ。ああ、バイクに乗りたい。ゆっくり昼寝とかしたい。

 ちょうど、仕事で国会図書館に用事があったことを思い出した。

 よし、バイクで行こう。会社の予定表には外勤と書いておく。部長にも一日中、国会図書館に籠ると伝えておく。これで出社しなくてよい。


 昼前に目を覚ます。午前中の仕事はさぼった。一応、9時にteamsで始業の連絡はしておいたから大丈夫だ。軽く朝食を食べて出発する。

 千葉から東京へ下道で行くには国道357号がわかりやすい。この道は東京湾沿いに走る国道だが、千葉県の主要道の一つであり、いつも渋滞している。

 今日も例にもれず、いつも通りの渋滞だ。大量のトラックが流れを乱している。早朝と深夜しかスムーズに流れない道なのだ。車の間をすり抜けながら進む。すり抜けるのは車と車の間だけ。路肩は走行しない。交通の流れが止まった時だけすり抜ける。時間は短縮したいが、事故は起こしたくないのだ。なんともワガママな言い分だ、と自分でも思う。

 今日の天気予報は曇りだ。降水確率も20%しかない。これならば雨は降らない、大丈夫だろうと思い、新しく買った雨合羽を忘れる。こういう時こそ、雨が降る。案の定、東京にたどり着くと小雨がぱらついている。この程度ならば問題ない、と思ったが、安心できたのは往路だけだった。

 3時間ほどで用事を済ませて帰路に就く。しかし、帰りはもっとひどい大雨が降っていた。夕立にあたってしまったようだ。しかも渋滞だらけで思うように進めない。会社をさぼった罰が当たったのかもしれない。


 懲りずに、2日後、また国会図書館へ行く。今度も同様の予定で、出社はせず、午後から仕事を始める。今日の天気は晴れ。それでも慢心せず雨合羽を持っていく。確かに快晴だが、夕立に会うかもしれない。

 しかし、雨降らず。ずっと晴れていたし、真夏のように暑かった。思わず、叫んでしまう。

 なんでだよ!



 余談ではあるが、マーフィーの法則というものがある。「失敗する余地があるなら、失敗する」というものだ。例えば、洗車をすると雨が降る。落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する。起こらないだろうと思い行動した事が裏目に出るのだ。

 同様に、バイク乗りにはとあるジンクスがある。雨が降ってきたので合羽を着ると、雨が止む。逆に、もう大丈夫だろうと思い合羽を脱ぐと雨が降る。まさにマーフィーの法則である。

 まあ、実際のところは、心理学でいうところの「認知バイアス」である。人間は印象的な出来事を強調して記憶してしまうのだ。ただ、これでは味気ないので、私も例に漏れず、こう言おう。

 おのれ、マーフィーの法則め!

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