異世界って本当ご都合主義(仮)

熊暁 翔帥

序章 想定外の転生

第1話

死神、さてみなさんはどんな存在を思い浮かべるだろうか?

鎌を持ち生者の寿命を借りにくる不運の象徴?はたまた骸骨な黒ずくめ?実は死神は神話によっては千沙万別な扱いがなされている、他にも死神=冥界の神という認識もあるしとにかく千紗万別である、現代でも死神だったのでは?というようなタクシー運転手を乗せたホラーもあるし、なんだかんだで死神という話題は現代でも豊富だ、そういう私葵 翔駒(あおい しょうま)自身も死神を見た経験がある中2の頃に甲状腺の手術で入院していたある日、4人部屋の入り口に看護師などでは絶対ない、ハットとロングコートのような感じのものが灯りに照らされて伸びていた。

「あれなんやろ、絶対見たらあかんタイプの影やん」

と自問自答していると、音は小さいのにはっきりと、

「あれ?今日じゃなかったか、またくるよ」という一言が入り口から聞こえた後歩く仕草もないのにその影は姿を消した、心の底からぞっとしつつも再び眠りにつく、そして次の日私は、昼食後くらいに突然発熱し後にも先にも経験していない血液固化一歩手前の41.3℃を記録した、あの苦しみを超えた発熱はいまだにないレベルだ。

熱で思考が朦朧としていると、川の辺りで人が立っているのが見えたので近づいていくと、全身をアズーリのような雰囲気の渋いコーデのハットを被った男性が立っていた、近づいていくと顔がなぜかハットの下が真っ暗で顔が見えなかった。

「迎えにきたんだけど、君を迎えにいくには時期尚早だったよ」

「時期尚早?」

「うん、本来なら君は今血液固化で死ぬ予定だったんだけど、予定が変わったんだ。」

「予定が変わった?」

と頭がついていかない状態ではあるが質問を投げかけてみた。

すると男は対岸を指さしたので見ると、錫杖を持った影と金龍のような神々しい影が川の対岸にいた。金龍は浮いた状態・人影はその横にいる感じで。

「あれは?」

「あれは君の主導霊と守護神だよ」

「守護霊的なものですか?」

「認識はそれでいい」

「ということはあなたは?」

「今は答えないでおくよ、君を守る存在もいるしね」

「はあ」

「とりあえず今言えることは彼と龍に感謝することだ、彼らのおかげで君は助かったに等しい。」

「‥」

「まあ実感は湧かないだろうけど、それだけ覚えておくといい」

「じゃあ今日はお帰り、いずれまた会う定めだから」

「あまり嬉しくないのですが苦笑」と嫌な顔全開で反論する

「誰だって嫌だろうけど、次は少々別の形だからおそらく問題ない」と男はいうと右手をさっと振った、そうすると次の瞬間

病室で、アフロな先生が太めの解熱剤らしきものを打ち込んでいる姿が見えた、

医師をみて無意識に「俺死ぬの?」とその医師に無意識に問いかけていた。

医師は「大丈夫死なないよ」という言葉をききまた安心して眠りについた。

なぜ急にこんな話をするかって?

またくるよといったその男がまた現れたからさ、今僕の背後に立っている。

なぜわかったかって?「やああの時言った通りきたよ、久しぶりだねえ」と言われたら嫌でも思い出す。

「お久しぶりですといいたくないですがお久しぶりです」

「あまり時間がないから手短にいうけど、君を1週間借りることになったからよろしくね」

「死ぬんじゃないんですか?」

「それだとまた邪魔が入るし、君をガードする邪魔が多すぎるからだめ」

「何をさせたいんですか?」

「それは、今夜話すよ長くてもこっちの世界では7日間程度の話だから心配ないよ」

「じゃあまたね」

という声と共に背後にいた気配はなくなった。

男のアドバイスを元に、色々と準備し

眠りについた頭が重いなあと思っていると次の瞬間、玉座のある空間にいた。

周りを見渡すと、東京駅の新幹線ホーム全部くらいの広さあった、

玉座に近づいていくと、綾●はるかと本●翼を足して2で割ったようなスタイル抜群の金髪の女性と、現役を退いたローマの王子を和風顔にしたような外国人寄りの男が玉座の横に立っていた。

男の方が喋りかけようとすると、玉座の女性が手を挙げて静止したと同時にこちらに語りかけてきた。

「初めまして、葵 翔駒さん」と魅了効果が付与されてそうな笑顔付きで挨拶してきた。

「初めまして、あなたは?男性の方は名前は分かりませんがおそらくあの時の方ですよね?」

「少し違います、彼はあなたがあったものの上司に当たる存在です」

「そして私は、スペランツァという俗にいう女神です」

と実にイタリアチックな名前を紹介されたので

「イタリアの女神様ですか?」

「いえ、私は翔駒さん的にわかりやすく例えると日本・ギリシャ・エジプト・北欧神話の神の上にいる責任役員の神の1柱です」

「めちゃ高位なんですね」

「はい」

「さて本題に入りましょう」

「あなたに依頼をしたいがためにお呼びしました」

「依頼?」

「本来あなたには、中学2年生の時に魂だけをお呼びして第二の人生を送っていただく予定だったのですが、私より高位の神の介入によりそれが出来なかった為、2週間あなたをとあるロッジに招待しました」

「招待?私寝てたはずなんですが?」

「次の日に私が体を操作し、行かせました」

とさらっと人の体を乗っ取った発言をかましてきた

「え〜とということは、今私魂だけってことですか?」

「その通りです物分かりが良くて助かります」

「私に何をさせたいんですか?」

「あなたにわかりやすい言葉でいうと、今からあなたには異世界転生をして頂きます」

「拒否権は残念ながらありません」

「つまり拒否すれば私の肉体は殺される?」

「はい」

と選択肢のない選択肢を女神様は提示してきた。


後書き

新作がいよいよ完成しました、今回の作品は王道の異世界転生物ですが、

最初の死神のくだりは私自身が実際に扁桃腺の手術のため入院中の深夜に、見た人ではない影と臨死体験を入り口にしようと思いこんな感じの入りにしました。

次回は女神様の行く前の事前説明と異世界入りです。

続き読みたいな、面白そうと思っていただけたらぜひ応援やフォローをよろしくお願いいたします!

大体の設定は章末ごとに間話として投稿するので、ある程度細かな部分はそちらをお待ちいただけると幸いです。


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