堕ちた勇者の千剣魔宮 岸本 雪兎様作

#2 青い森の魔物【2-1】から#2 青い森の魔物【2-30】を拝読させていただきました。

あんまり一気読みをしないのだけれど、手に汗握る展開で一気に読ませていただきました。


実際には、一ページ前から読ませていただいてます。

まずは少女の決心の部分から。

彼女は、どんな役割を果たすのだろうか? と思っていたが、意外な展開であった。その場面までは、騙され魔人堕ちした少女という可哀想な立場として見ていた部分がある。しかし一緒に旅が始まると、彼女は明るく感じた。つまり、何かを吹っ切っているように感じたのである。

主人公にも、少女が加わることによって変化が起きている。互いに一緒に旅する仲間が出来たことが、良い方向に転がったのではないかと感じた。


そして今回拝読させていただいた部分は、ほぼ戦闘シーンなのだが各人の心情が見て取れた。ここで感じたのは、人はホントに視野の狭い生き物であるということ。イメージは簡単には払拭できないということ。経験したことのないことに対して、なかなか理解を示すことはできないということである。

二人は旅の途中で、ある少年に出逢う。このことが今後の二人の運命を大きく変えることとは知らずに。

魔人というだけで、勝手なことを言われながらも人間に対し、恨みを抱かない主人公と少女は凄いなと思う。もとはと言えば、自分たちのせいなのに少女に対し憎しみを向ける人間。人間とは、本当に醜い生き物なのだなと改めて感じた。この物語は、一方的に苦しむわけでも、忌み嫌われるわけでもない。

敵になるものもいれば、味方になってくれるものもいる。そこにとてもリアリティを感じた。少しずつ仲間の増える主人公。皮肉にも彼は、魔人落ちしてからの人生で初めて本物の仲間を得られたのだと思う。

この世界の中で魔人落ちするということは決して幸せとは言えない。しかし、幸せを感じる瞬間がこの二人にはあるのではないかと思った。

この先の展開がとても楽しみだなと感じました。

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