散華のカフカ 燈様作

【あらすじ引用】

「散りゆく命に価値はあるのか?その価値を私は問いたい。」


「審判」から30年。

 人々は他者を慈しみ、愛し、平和を保ち、健やかに生を全うすることが最大の幸福とされていた。

 しかし、都市では人が灰になって消える、灰化現象が続出。

 東 劃(クアク)とその仲間達はそれを捜査すべく現場に降り立つも、その裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく。


【良いところ三点】

1*好奇心を誘う始まり方。

作品の詳細情報を見ずに作品に触れたが、ミステリーと分かりやすい雰囲気を持つ。怪奇ともいえる事件が起き、一体何があったのだろうか? と物語の先が気になる。彼らの言葉の中にも謎が多く、その謎についても知りたい欲求が湧く。非常に先の展開の気になる始まり方である。


2*不思議な世界観。

現実と幻想の混ざったような不思議な世界観。しかし、違和感はない。

ジャンルの混ざり方が面白く、ミステリーに超能力が混ざっているのは見たことがあるが、異能バトルも混ざっている。世界観が独特でオリジナリティに溢れた作品だと感じた。

人が目の前から消えても、そんなに驚くような描写もないので落ち着いた雰囲気も持つ。

その事が重さも醸し出しており、魅力的な作品となっていると感じる。


3*オリジナル設定部分がとても興味深い。

小説とは自身の体験や知識、想像から産まれるものである。この作品においてはオリジナルのものが多いように感じる。つまり、見たこともないものが出てくることにより、好奇心を刺激する。作中において灰を調べも持ち主(?)を特定する時に使う機械がとても面白い。刑事でありながら鑑識のようなこともしているというのも、面白い部分である。その為、登場人物がどっと増えないので、物語について行きやすいのも良い点だと思った。

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