ルーリアと竜呪と蜂蜜 珀尾様作

【あらすじ引用】

勇者も魔王もいて、魔法や調合が当たり前の世界。そんな世界で最凶の邪竜に呪われたハーフエルフの少女が、恋や冒険をして成長していく物語。~竜の呪いを解くまで。


万能回復薬とも呼べる、高価な『魔虫の蜂蜜』。ハーフエルフの少女・ルーリアは、その蜂蜜屋の看板娘だった。幼い頃に竜の呪いを受け、成長できずにいるルーリアはずっと少女の姿のまま。生まれてから一度も外の世界を見ることなく、森の中で父親とひっそり隠れて暮らしていた。


そんなある日、ルーリアの父親がケガを負って道に迷っていた人族の商人たちを家に連れ帰ってくる。『商人たちには出来るだけ近付かないように』と言われていたルーリアだったが、偶然、その内の一人の秘密を見てしまうことに。助けた少年は人族ではなかったのだ。その少年は背中に大きな翼があり、天使のような美しい姿をしていた。この時の出会いが、後の二人の運命を大きく変えていくことになるのだが、その時はまだ互いの名前を知ることもなかった。ルーリアは少しずつ世の中のことを知り、やがて二人はまた出逢い、そして世界の大きな流れへと巻き込まれていく。いずれ必ず魔王の元へと導かれる運命に、ルーリアは……。


【良いところ三点】

1*何が始まるのだろうか? と読者の興味を惹く冒頭。

冒頭は問いかけから始まっており、なんだろう? 興味を惹く効果があると感じた。その後、『魔虫の蜂蜜屋』についての説明があり、これが物語にとってとても重要であり、今回の舞台になるのだなと深く印象に残る。ここで”呪われた親子”というキーワードが出ており、一体どんな呪いにかかっているのだろうか? という疑問も湧く。そのため、続きの気になる物語だと感じた。


2*主人公の一人少女の視点。

この物語は森から出たことのない少女と、ある日そこへ怪我をしてやってきた少年が主軸となった物語だと思われる。少女はこの時、少年の秘密を知ってしまうのだがそのことがあったからこそ、二人の距離は縮まったのではないかと思われる。二人の心の距離が近づくまでの描写がとても丁寧に描かれている。

この時少女が彼に贈ったものが、今後どんな風に関わって来るのか? も気になる。(何かの伏線では?と)


3*初めは少女の視点だけかと思われたが。

読み進めていくと、少女の視点だけではなく、少年の視点からも物語は進んでいく。あらすじには、再び二人が出逢うということが記載されている為、二人が離れている間何を想い、どんな出来事に遭遇するのかが分かるのも良い点であると感じた。両サイドがあるからこそ物語に深みが出ると感じたため。そして少年の視点では、森に一緒に訪れたけが人たちのその後も明かされている為、少年たちの背景が分かりやすい。

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