第178話 嵐の前の……Part.11②
料理はまだまだ続いていった。
フカヒレのスープ、北京ダック、エビ、カニ、アワビ……
最高のグルメを味わいながら、片岡と山田を中心に雑談に花が咲いた。
その流れで、真奈美は気になっていたことを聞いてみた。
「あの、経営会議で私たちが説明に呼ばれたということは、やはり幹部の方から質問があったということでしょうか?」
「ああ、それな。最初から詳しい説明をMA推進部にしてもらいます、と宣言したんだ。その方が幹部も聞く耳持ちやすいだろうって山田さんにアドバイスをもらってね」
「山田チーフからですか?」
真奈美が驚いて山田を見ると、山田はぷいと横を向いた。
(おそらく呼ばれることはないだろうって、言ってませんでしたっけ??)
「酒井さんは経営管理時代から顔が知れているし、今回の件はいろんな場面で説明をしてきたから、うまくやってくれるだろうって。ね」
片岡の説明を受け、山田はばつが悪そうに答えた。
「は、はあ、まあ、そんな感じだったかもしれませんね」
「いや、でも的確なアドバイスだったよ。落合CTOの質問に対してもあれだけストレートに返せる度胸は見事だった。ありがとう。がははははは」
「は、はあ……」
真奈美は山田を思いっきりにらんだ。
(……あなたの入れ知恵だったんですね!?)
山田はまた視線をそらしてすまし顔をしている。
(も~!二次会は絶対に高いバーに連れて行ってもらいますからね)
ほっぺたを膨らませた真奈美の機嫌を直すために、山田はまだまだこの後も付き合う必要があるようだった。
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