第36話 嵐の前の……Part.2
「……ってことで、結局、事業本部への説明、私がやることになったのよ、信じられる?」
「すごいな。初心者に丸投げとは、山田チーフ、暴挙ね」
「でしょー?MA推進部に来てまだ2週間も経ってないのよ?私」
オフィス近くの居酒屋のカウンター席。
テーブルにはお刺身、サラダ、やきとり、だし巻き卵。
そして日本酒の升。
真奈美も小巻もすでにほろ酔い状態だった。
「いつなの?事業本部との打ち合わせ」
「来週水曜日」
「そっか、それまでにしっかりがんばって準備するしかないね」
「小巻、てつだってよ~」
真奈美が小巻の肩にすがると、パシッと払われる
「無茶言うな。私は法務だからむーりー」
「いじわるー」
ほっぺたがぷくっと膨らむ。
「こうなったら、発想の転換だ。早いタイミングで前面に出るチャンスをもらえたと思って頑張るしかないかぁ」
「確かに。その方がポジティブよね……まあ、ただ単に山田チーフが面倒くさがっただけかもしれないけどね」
「……そうかも……その方がしっくりくるわ」
真奈美はうなだれた。
「ま、まだ時間あるんだし。準備も間に合うでしょ。今日は飲んじゃおう」
「おー、飲もう、飲もう」
そして、升酒のオーダーが追加される。
二人の夜は、まだまだ続くのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます