第5話ー列車バトルデスマッチ【PARTⅡ】
【エル】
ソウルライト5個。
手札5枚。
バトルフィールド:鏡の騎士・ミラーナイト。
【ルビィ】
ソウルライト:5個。
手札:3枚。
バトルフィールド:森の狼。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「わたしのターン! カードドロー!」
ルビィ:手札3枚
コンボ発動! トリプルチェーン!
「ト、トリプルチェーンだって!?」
マナカード3枚からなる強力なコンボ!
既に手札に揃っていたのか!?
【コンボ】トリプルチェーン。
【発動条件】数字が順番になっているカードが3枚。
【コンボボーナス】コンボ成立後、マナデッキからカードを2枚ドローする。
「コンボボーナスによりマナデッキから2枚ドローし、発生した3マナでマジカルデッキから3枚めくるのです!」
【ルビィ】
手札:4枚
7+8+9=24→3マナ。
手札消費を最小限に抑えた上で一気にモンスターを大量に展開して場を制圧するつもりか!
「開け! マジカルゲート! 森の妖精・ピクシー! 森の妖精・ユーフォニアムを召喚! そして呪文カード、死神の気まぐれ!」
魔導書が光輝き、3枚のカードが表れる。
【森の妖精・ピクシー】
【パワー】:1000。
【属性】:
【スキル】: 場の妖精モンスターが攻撃を行うたびに相手の手札をランダムに1枚捨てさせる。
【テキスト】:いたずらが大好きな森の妖精。ユーフォニアムと仲良し。
【森の妖精・ユーフォニアム】
【パワー】:1000。
【属性】:
【スキル】: バトルフィールドに出た時、手札から数字の合計が10以上になるように捨てる事でマジカルデッキから1枚をめくる。
テキスト:お歌を歌うのが大好きな森の妖精。ピクシーと仲良し。
【死神の気まぐれ(呪文)】
【発動条件】マナデッキの上からカードを5枚墓地に送る。
【スキル】:墓地のパワー3000以下のモンスターを復活させる。復活したモンスターは次のターンまで攻撃できない。
「まずは呪文カード! 死神の気まぐれを発動しマナデッキの上から5枚カードを墓地に送って墓地のパワー3000以下のモンスターをフィールドに復活させる! 森の番人よ、蘇るのです!」
地面から這い出るようにして森の番人がルビィの場に復活した。
「これでモンスターが4体まで増えたか!」
「さらに森の妖精・ユーフォニアムのスキルが発動! このカードが場に出た時、数字が10以上になるように手札からマナカードを墓地に捨てることで、更に追加でマジカルデッキの上から1枚カードをめくる! わたしは
【ルビィ】
手札3枚
「更に追加でモンスターを召喚するつもりか……っ!」
「マジカルゲートオープン!」
【妖精王・マリーゴールド】
【召喚条件】:
【属性】♡。
【パワー】:8000。
【スキル】:このカードが相手モンスターを破壊した時、マナデッキからカードを2枚ドローする。
【テキスト】:森の妖精達をまとめる美しき妖精。綺麗な七色の羽から汚れた大地と水を浄化する鱗粉を放つ。
「パ、パワー8000!?」
妖精王・マリーゴールド。
最高クラスのパワーを秘めた
「これがわたしの切り札! 今さっき復活させた森の番人と森の狼を召喚コストとして墓地に送り妖精王・マリーゴールドを召喚!」
綺麗な七色の妖精の羽。
この世の奇跡とも思えるほどの美貌を持つモンスター。
これがルビィのデッキのエースカード。
「バトルフェイズ! 妖精王・マリーゴールドで鏡の騎士・ミラーナイトに攻撃!」
「ミラーナイト!」
「ミラーナイトが破壊されたことでマリーゴールドのスキルが発動し、マナデッキからカードを2枚引く! そして森の妖精・ピクシーのスキルで妖精モンスターが攻撃するたびに相手の手札を1枚捨てさせるのです!」
ピクシーはボクの元まで飛んでくるとニヤニヤとした顔をしながら手札を1枚奪っていった。
「て、手札が……」
【エル】
手札5枚
まずい! 手札を補充された上にフィールドはガラ空きだ!
まだルビィには2体の妖精達の攻撃が残っている!
「森の妖精・ピクシーとユーフォニアムでエルに攻撃! 更に手札を捨ててもらうのです!」
2体の妖精の攻撃を凌ぐ術は無い。壁となるモンスターもいないためボクへの直接攻撃になるが、所有者のマナの源であるソウルライトが結界となりボクの身代わりの役目を果たすため魔法陣の中にいる限りモンスターの攻撃に対しては絶対に安全の…………ハズだった。
「くっ……!? グァァァァァァァァァァ!」
しかし敵モンスターの攻撃による痛みは魔法陣の内部にいるボクにまで浸透した。
【エル】
ソウルライト5個→3個。
手札4枚
「えっ!? エル! どうしたのですか!?」
「分からない! 結界で受けたのに痛みが無効化されないんだ!」
『ヒィーッヒッヒッヒ♡ そういえば言い忘れてましたァ♡ 大魔界学園でのマジカルファイトで所有者が直接攻撃を受けた場合……苦痛はそのまま所有者へのダメージとなりまァす♡』
「にょろろー!? そ、そんな!?」
『大魔界学園でのマジカルファイトは常に命と誇りを賭けた決闘! 外であなた達がやっていたチープなカード遊びとは訳が違ァう! 痛み無くして真の勝利も! 敗北もあり得なァい!』
「……」
外傷こそないが痛みは紛れもなく本物……むしろ傷にならない分、痛みの度合いに上限は無いのかも知れない。
現にパワーの弱い妖精モンスターに攻撃されただけでこれだけの痛みがあるんだ。
なんて悪趣味なシステムなんだ。
ボクの魔導書に刻ませた五芒星の魔法陣から線が2つ消え、三角形の図形に変化した。
魔法陣はプレイヤーのソウルライトの数と連動しており、今のようにソウルライトが削られると魔法陣を形成している直線が減っていき、魔法陣の形も変化していく。
そして魔法陣が完全な円となったとき所有者の敗北が決定する。
「ファイトを続けよう……まだボクのソウルライトは尽きていない! ここからが勝負だ!」
「エル……私はこれでターンを終了!」
一瞬迷いのある表情していたルビィだがボクの態度に感化されたのか、調子を取り戻していく。
それにルビィのバトルフィールドにいるモンスター、妖精王・マリーゴールドは相手モンスターを倒す度にカードをドローし、森の妖精ピクシーが攻撃する度に手札を奪ってくる。
完璧なコンビネーションだ。
壁となるモンスターが来てもマナとなる手札を捨てさせられ、相手の手札が増えてしまえばそのままルビィの一方的な有利のままボクは負ける。
強い……これがルビィの覚悟の強さ。
今のボクの手札にはコンボに繋がるカードはない、絶望的だ。
でもボクも負けるわけにはいかない。
ボクのデッキよ、力を貸してくれ。
「ボクのターン! カードドロー!」
【エル】
手札2枚
「……っ!」
来てくれた、ボクのデッキが応えてくれたんだ。
「コンボ発動! ダブルエース! 手札の
「……なっ!? そのコンボは!」
「ダブルエースは手札のエースのカード2枚のみを使って行われる必殺のコンボ! その効果でボクはマジカルデッキに存在するモンスター1体をコストを支払わずに直接場に呼び出すことが出来る!」
「この土壇場でダブルエースを揃えたと言うのですか……なんて引きの強さ……っ!」
【コンボ】ダブルエース。
【発動条件】
【コンボボーナス】コンボ成立後、マジカルデッキをめくる代わりに好きなモンスター一体を選んで召喚しマナデッキから手札が5枚になるようドローする。召喚したモンスターはパワーが+2000され、2回攻撃が出来る。
「デッキはプレイヤーの心を写す鏡だ。ボクがカードを裏切らない限りカードもボクを裏切らない! ダブルエースのコンボボーナスによりマナデッキから5枚になるようにカードを引き、マジカルデッキのモンスターを1枚選び、場に呼び出す! ボクが呼び出すモンスターは……」
【エル】
手札1枚
『俺様を呼べ、エル!』
ボクを呼ぶカリスの声が聞こえたような気がした。
「マジカルゲートオープン! 出番だよ! 鏡の魔王・カリス!」
【鏡の魔王カリス】
【召喚条件】AA《ダブルエース》(このカードを召喚する場合自分のバトルフィールドのモンスター2体を墓地に送るか、自分のソウルライトを3つ消費しなければならない)
【パワー】8000。
【スキル】このカードが場に出た時、手札か墓地に存在する
【テキスト】鏡魔界の支配者にして強大な力を秘めた13体の魔王の一体。一説ではカリスの姿は鏡が作り出した幻とも言われており、本当の姿を見た者は誰もいないという。
『なんだァ? いきなり劣勢じゃねえの?』
「だからこそカリスの力を貸して欲しいんだ、ルビィを倒すために」
『んーそうだなぁ、ほっぺにチューでもしてくれたら考えてやってもいいぜ?』
「カーリースー?」
『わーーったよ! 真面目にやりますよーもう! あー怖い怖い』
「鏡の魔王・カリスは手札か墓地にある
『んー……んー』
カリスは目の前に鏡を作り出し、手を差し入れるとまるで水面のように波紋が生まれズズズと鏡面に手が沈んでいく。
そして鏡の中のカリスの手を掴み引っ張り上げもう1体のカリスを呼び出した。
『お仕事だぜ、相棒?』
『仕方ないですね……手早く済ませましょうか』
「マ、マナカードがマジカルカードに変化した!? そんなカード聞いたことが無いのです!」
「プレイヤーの魔力を自らの支配する物質に変換出来るのが魔王のカードの力! 鏡の魔王・カリスの力でボクの魔力を鏡に映るもう1人の自分に変化させたのさ!」
「1ターン目に女神の祝福で
「バトルフェイズ! ダブルエースコンボで生み出したモンスターはパワーが+2000され1ターンに2回の攻撃が出来る! もちろん鏡の魔王・カリスのスキルで呼び出した
『俺様に勝とうなんて100年はえーぜ!』
『ハァァァァ……っ!』
「わたしの場が全滅……?」
「そして
「グッッ……ガァァァァァァ!」
「ルビィ!」
『ヒーッヒッヒッヒッヒ! やはり強大な力を持つ魔王のカードの場合! 与えられる苦痛もスペシャルみたいですねぇ♡』
【ルビィ】
ソウルライト5個
ルビィの魔導書の魔法陣から直線が一つ失われて四芒星になった。
これであと4回攻撃が通ればボクの勝ち。
でも……。
「フーッ、フーッ」
歯を食いしばり目を見開いて足を震わせながらもルビィは耐えていた。
「ルビィ……」
「まだ……まだです! わたしのデッキにはこの戦況を逆転出来る切り札がある!」
「ボクはこれでターン終了だ」
『魔王のカードを前にして戦意を折られないとは大した精神力ねェ♡ ヒーッヒッヒッヒッヒ♡』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます