転生するな!
@NAMAHAMUDAYO
第1話 運命の日
「チュン チュンチュン」
朝、小鳥のさえずりで起きる。いい目覚めだ
なぜか今日はいつもと違う日のように感じられる
そうだ、前に買ったコーヒー豆でコーヒーを作ってみよう。
こんなにも清々しい朝は久しぶりだ
今日は何か特別なことでもあるのだろうか
どれどれコーヒーの味はどうかな
お気に入りのマグカップにコーヒーを淹れ
香を嗅いでみる
うん、いい匂いだ
そのままコーヒーを口に入れる
「マッズッ! !何これ!!」
どうやら賞味期限が切れていたらしい
最高の朝から最悪の朝になってしまった
・・・気分転換に散歩でも行くか
口を水で洗い流し、歯を磨いて お気に入りのシャツを着る。準備万端!
さっそく僕は家を出た
ここら辺は住宅街なので道が狭く、いい空気・・・とは言えないがとても気持ちいい
目に大きな何かが写った
見間違いか?
いや違う
『大きな何か』は段々と大きくなっていく
「トラックだ…」
「やべぇ!逃げ」
ドッン
居眠り運転のトラックは西賀を軽々と轢き飛ばした
そして僕は死んだ
死んだ後は幽霊みたいなのになった
そして葬式の様子を見た
みんな来てくれた
母も、父も、彼女も、親友も、おじいちゃんも、
親戚の人も、先生も
みんな来てくれた
この世が惜しくて堪らない
そうこうしてる内に四十九日が来て
みんなと別れなければいけなくなった
めちゃくちゃ悲しかった
でも死にいつまでもナヨナヨしてると向こうも悲しくなると思う
だから僕は泣くのをやめた
四十九日が終わると突然、視界が真っ白に包まれた
あっ天国に逝くんだな
そう思い僕はそっと目を閉じた
しかし目を開けるとそこには
綺麗な花畑が広がる楽園・・・ではなく果てしない真っ黒な空間が広がっていた
「なんだ…ここ」
声が虚しく響く
・・・・・・死んだらこうなるのか?
何も無い空間で意識だけ残されて、ただ放置されるだけなのか?
やはり天国なんて人間の妄想に過ぎないのか?
絶望感に打ちひしがられていると
突然 落ち着いた声が響いた
???『ようこそ いらっしゃいました』
ばっと振り返ると、そこには綺麗な白髪が特徴的な白い衣を着た美しい女性が立っていた
その女性の周りだけ何故か光っている
もしかして女神か?
そうとしか説明がつかない
!!!!
そういうことか!
真っ暗な空間!
超絶美人な女神!
この展開はもしや・・・
『転生』というものでは無いか!?
スライム・勇者・魔王・賢者
時には幼女とかに転生しては
チートスキルで無双して
可愛い女の子にチヤホヤされて
最終的には世界を救う
最高の第二の人生じゃないか!!
「ぼっ 僕は何に転生するんですか?」
女神が言った
「・・・残念ながら貴方は転生出来ませんよ」
違うのかよ…
「じゃあ、天国?」
「天国にも行けません」
「じゃあ、まさかの地獄?」
「地獄にも行けません」
「じゃあこんな感じの何も無い空間?」
「いいえ、違います」
「貴方は元々、転生できる予定でしたが神様からある事情のため『転生させるな!!』と言われまして」
「ある事情とは?」
「初めて知るかもしれませんが貴方は世界で数人しか持っていない特殊能力『
「UMAキラー」はUMAを撲滅させ、世界の秩序を守ることも出来るので、転生出来ないことはないのですが、転生させるにはあまりにも勿体無いと…言う感じです」
そんなこと知るわけねぇよ初耳だよ
「と、いうことは?」
「はい、現世に戻っていただきます」
待て待て世界観についていけない
質問したいことが多すぎる
「そもそも何故その ゆーま とやらを倒すと世界が救われる訳?」
「UMAはいわば神が地獄用に作った悪魔が現世に手違いによって転送されたものです」
「はぁ」
「もし普通の一般人がUMAを認識してしまうと多大な認識災害、現実改変、ミーム汚染など地球の存続に関わる大災害を引き起こします。
まぁUMA自身がヤバいやつもいますけどね」
「例えば?」
「ビックフットとかが挙げられますね彼らは高い知能を持ち、また攻撃の威力がとてつもなく高いです。挙句の果てには瞬間移動までできます」
「そんなやつと僕が戦えと?」
「はい その通りです」
「そんなのできっこないよ!僕がUMAキラーとやらを持っていたとしても、身体能力は並みだ
どうしてまた痛くて苦しいことをしなければいけないんだよ!」
「・・・・貴方には確か愛すべき彼女がいましたよね 、
守るべき親友がいましたよね
そして何より大切な家族がいましたよね
UMAの悪の手は、今までにないほど世界に広がってしまっています
何もしないで大切な人を失ってしまっても良いのですか?」
「そんなこと言われても…
・・・・・・分かった でも一つ条件を出していいか?」
「何でしょうか?」
「自分に有利な特殊能力をくれ。いくらなんでも今の自分では貧弱すぎて話にならない」
「分かりました」
「しかし女神といえどなんの特殊能力が着くかは決められません… それでもよろしいですか?」
西賀はゆっくりと頷いた
女神は水晶を出して呪文を唱えた
「神よ 世界を救う是勇者に新たなる力を分け与えよ」
その瞬間西賀に光が降り注いだ
その光が止むと西賀の目に特殊能力が表示された
《バックパック》
「その特殊能力は…いわばドラ〇もんの四次元ポケットです」
テンプレっちゃテンプレなのが付いた
「他には付けられないのか?」
「1人ひとつまでが限界です」
「よろしいですか」
「・・・あぁ」
その後は女神から沢山の話を聞いた
これからどこに向かえばいいのか
UMA討伐を掲げた団体があること
もし、死んでしまった時のこと
自分が再転送される場所
などだ
「それではよろしいですか?」
女神はポータルを開いた
「はい!」
「ご武運を!」
僕はその中に勢い良く飛び込んだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます