女史の周囲の情況、大丈夫か?!

イエ・ウェンジエ(劉慈欣『三体』)

世界の累計発行部数3000万部超えのSF『三体』シリーズ。


 まずは中国国内で受け入れられ、そして、世界で広く読まれた要因のひとつは、

天体部物理学者である主人公の葉文潔イエ・ウェンジエ女史の身に起きる、

文化大革命、大丈夫か?!なエピソードの数々だろう。


 文化大革命(文革)は、「死者1億人以上」、「人肉宴席」など、

歴史上最も凄惨な事件の一つ(だと聞いたことがある)。


 その縮図のように、文革時代を生きた葉文潔イエ・ウェンジエ女史は、

本作冒頭で、理論物理学者で大学教授の父親を惨殺される。

 そこから展開されるガチ・ハードモードな女史の人生が、異星人との

ファーストコンタクトを扱う本作に高いリアリティを与えてくれるのだと思われる。


 現代日本設定では、実現は厳しそうな類のリアリティ。

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