文豪たちの作品だけれど、大丈夫か?!

グレーゴル・ザムザ(フランツ・カフカ『変身』)

「布地の販売員をしている青年グレーゴル・ザムザは、ある朝自室のベッドで目覚めると、自分が巨大な毒虫になってしまっていることに気が付く。」(Wikipedia)


 That's all.と言いたくなってもしまう、出だしから大丈夫か?!な不条理シチュエーションは、フランツ・カフカの一連の小説のいわばディフォルトである。カフカの小説をひもとくと、主人公は軒並み大丈夫か?!というシチュエーションに陥るのである。そして、主人公に訪れるのはかなりのバッドエンドのみ。。。


 とはいえ、付言すると、20世紀半ば以降の世界の、「大丈夫か?!」な、テンプレの少なからぬ部分はガチでカフカが作ったと言っても過言ではない。これは、文学史的には、おそらく通説(個人的感想)。


 文学史は、僕は知ったかなので、これ以上は語らない。なので、デビューしたかしてないかは問わず、ラノベ作家の先生方には希望になるであろう言で終えておこう。

 フランツ・カフカが世界的に有名になったのって、文学史的にもwikipedia的にもカフカ先生が40歳でお亡くなりになった後のことなのだよ、と。


 すなわち、作家デビュー3巻まで至らずに打ち切りになってその後物理的にお亡くなりになっしまうことがあったとしても、死後に評価がうなぎのぼり(?)なことは起こりうるのである。


 もちろん、その時の印税はご本人には入ってこないけどね。


 むしろ、大丈夫か、この作者?! でも、それがすごくいい。


 「救いがないのが救いであります」(by 坂口安吾)。

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