第五の秘密

 黒田からの着信を無視しながら、白石空は自身の心の中の闇をそのまま写したような暗闇をフラフラと歩いていた。

 結局黒田くんも同じだ。私のことを何も理解できない、他の男と同じだ。煙草だって援助交際だって、私の本当の姿ではない。私の本当の秘密を知ったら、黒田くんはどんな顔を見せるだろうか。

 また着信が鳴る。見ると黒田ではなく父親からの着信だった。白石はその着信も無視して彷徨い続ける。

「そうだ殺そう」

 ふと、白石は呟いた。顔を上げ、涙を流しながら……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る