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傷んだ本を修理に出した。

自宅付近の古本屋の店主はめんどくさそうに引き受けていた。

実際にどんなことをしているのか、訊く気はないが、以前修理してもらった本は新品に近い状態だった。

よれたページも褪せた裏表紙も触り心地の良いものになった。


死ぬことを考えなくなった。

そう書けば気が紛れると思った。

話を思いついたんだ。


貴方にも関係するだろう。

もう少し考えてみたいんだ。

私の生きる価値がこの文章に蓄積されているかどうか。


来年の夏を私は生きられるのか。

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