7/10
人間が嫌いだった。
自分のことが何よりそうだった。
徒党を組み、人を罵倒し、勝者と敗者を決めようとすることにどれほどの意味があるのか、学校では何も教えてはくれなかった。
教師が言うのは、「休み時間は外で遊びなさい。勉強は静かに慎ましく行い、いい点が取れるようにしなさい。帰り道は寄り道せずに帰りなさい。友達を作りなさい。家族を大事にしなさい。」
くだらなかった。
何もなかった僕には何一つ意味のないことだった。
いじめにあった時には、原因は私にあると言った。私が存在することが罪なのだと教えてくれた。
私の
命の価値はほとんどないようなものだと、言っているようだった。
小学生、中学生の頃はずっとそんな調子であった。
生きていたのは私の自我が芽生えていなかったからだった。
学校に行ったのは親に逆らえなかったからだった。
高校の頃に音楽というものに出会った。
私の世界が変わったように思えた。
27歳でロックミュージシャンは死ぬらしい。
そんなことを同級生から聞いた。
電子音を好んだ私は、音楽を作ってみたいと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます