夜中の妄言

苫井

1.約束

幼い無数の約束は

切られなくなった小指とともに

約束しなくてよくなったのは

たぶん諦めを覚えたから

破ってしまったからだろうか

ひとり小指を立てる僕の心に

鋭い痛みが走った


嘘をついた 優しい嘘も悲しい嘘も

無理矢理笑った嘘は 虚しさを飲み込んだ

無邪気な御呪い おもちゃ箱に仕舞い込んだ


君とだけ 交わした約束は



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