第3話 少年
年は十歳前半だろうか。長い髪は乱れ所々逆立ち、灰色の着物はシミだらけ。
栄養状態も良くなかったのか、枯れ木のような立ち姿だった。
落ち着きを取り戻した少年は、小屋の中の部屋に俺を手招いた。
このまま逃げてもよかったのだが、俺は吸い込まれるように小屋の中に入ってしまった。
どこか、この少年をほっておけないという気持ちがあったのかもしれない。
小屋に入ると短い廊下があって、破れたふすまの向こうに6畳ほどの部屋があった。
あたりは、また静寂を取り戻していた。
部屋のなかの適当なところに座ると、そこで、不思議な話を話し始めた。
この世の中は、同じように見えて実はたくさん存在しているそうだ。
そのひとつに住んでいるが、寝て起きたら別な世界に移っていたりするらしい。
その世界が、ひとつひとつ壊れていっていて、
泡がはじけるように、どんどん数が減っている。
このままでは世界が終わる。
なぜ、壊れているのか、
世界の寿命だから、地球の寿命だから。
丸い小さなテーブルの上に、一冊の本が置いてある。
少年は、その本を手に取ると俺に差し出した。
その本には、次のような内容がつづられていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます