🌒蓮の秘密✶誰も知らない………

あのね!

第1話⁂蓮は何故?⁂


 真夏の照りつける太陽の下、青々としたゴーヤのアーチを潜り抜けると、そこは一面のひまわり畑。


 真っ青な空と太陽に向かって満面の笑みを浮かべたひまわり達が、隊列を組んでお出迎え。

 そんな真夏の午後。

「嗚呼!・・・フウ~暑い!………アアアア~!・・・ああ…どうせ・・・・・俺なんか…?嗚呼?………生きていても・・嗚呼!…死んだ方が・・・楽だ!」



 ミスター星陵学園、ミスタ―パーフェクト、それだけの称賛を浴びてもまだ足りない。

 成績は常にトップにして、更にはスポ-ツ万能。

 またそれより何よりそのイケメンぶりは、この武蔵村山一体どころか東京中に知れ渡っている。

 そんな女子全員を魅了して離さないその男こそ、星陵学園三年和泉蓮。


 真夏の一番熱い最中の八月十日のPM二時を少し回った頃の事だ。

 そんなミスターパーフェクト和泉蓮が、今この暑さの中悲壮感漂う・・・絶望感で今にも消え入りそうな声と…表情で・・・


「アアアア~!絶望しか無い!・・・こんな俺が生きていて何になる…?嗚呼~!嗚呼!」


 何か自分では抱えきれない大きな闇を抱えているのか………?


 只々あてもなく、このひまわりガーデン武蔵村山の迷路を小一時間以上ウロウロ彷徨い続けている蓮。


 誰もが羨むこの和泉蓮には何があると言うのか?


 そしてこの美しいひまわりガーデン武蔵村山を後に、まるで世捨て人のように無気力で無表情なポ-カ-フェイスを装い、うろうろ~!うろうろ~!まるで死に場所を  探し回るかのように歩き回った挙句………。

 校舎の前にやって来た。


 やがてまるで夢遊病者のように、校舎の中に吸い寄せられるように消えて行った。

 暫くすると誰もいない運動場に、ドスンと大きな音が鳴り響いた。


 校舎の運動場は鮮血で見る見る真っ赤に染められていく。


「キャ――――――――――――!」


 校舎の屋上から飛び降りた和泉蓮は即死。


 幸せを絵に書いたようなこの蓮に一体何が有ったと言うのか?








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