毎朝の言葉【カクヨム合宿】

葉月林檎

毎朝の言葉

「おーい、起きて。昨日、起こしてって言ってきたのアンタでしょ?」


 何回も揺らしてみるが、どうやら意味はないようだ。すやすやといびきもかかずに、気持ちよさそうに寝ている。


 自分もまだ寝足りないが頼まれてしまったのだ。気は進まないけれど、仕方なしに繰り返し声をかける。


「あと……5分……」


 気の抜けてしまうような、ほぼ寝言と言ってもいい言葉と共に、そいつは私の頭をぽんっと押さえつける。


「ダメ、あと3分だからね」


 小さな声で呟いてみるけれど、どうせ聞こえていないのだろう。ここ最近は特にそうだ。長期休みに入ったからといって、流石に良くないのではないか?


 そう思いながらも、私は決められた時間に起こすことになるのだ。『ピピピ』という電子音で。

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