第三十二話「学園へ――」

 Side リーナ・バハムス


 兄さん達(フィア、アルク)が不在の間、私は学園の生徒達や反乱軍に参加してくれた兵士達と一緒に学園の守りに徹していました。


 最近連日のように様々な敵が攻め込んできてますが被害が思ったより少ないのが奇跡なようなものです。


 だけど今回は――


 3将が二人、地のグレイと風のフェイン。


 空中戦艦セットで本気で潰しに来ています。


 このままでは不味いです。


 幾ら優秀なマジックメイルや乗り手であっても3将二人と空中戦艦のセットは厳しいです。


 兄さん達が不在のこのタイミングを狙われるとは運が悪いです。


「リーナ様!! 援軍です!!」


「援軍!?」


「異世界軍とフィア様、アルク様です!!」


 との事だった。


 Side 緋田 キンジ


 タイミングが良いのか悪いのか。


 マジックメイルの養成学校――士官学校。

 反乱軍の拠点の一つ。


 より正確にはその士官学校を中心に栄えた町と言うべきか。


 俺達は戦闘中の帝国軍の横っ面を殴りつけるようにして援軍として参加した。


 主力は学生と反乱に賛同した兵士達。

 そして義勇兵が大半だそうだ。


『お前らが噂の異世界軍か!!』


『その雰囲気、3将の一人か』


 茶色い重騎士のようなマジックメイル。

 両肩に観のけた以上のシールド、手には大きな槍を持っている。

 周辺には倒されたマジックメイルが倒れ伏していた。


『いかにも。我は地のグレイ。このマジックメイル、ダイナスは並の攻撃ではビクともせんぞ!!』


『そうかい!!』


 なら攻撃が通るまで攻撃を当て続けるまでだ。


『ちっ!?』


 などと思ったら奇襲攻撃を受けて咄嗟に交わす。

 凄いスピードだ。

 戦闘機並みかそれ以上かも知れない。


『私は風のフェイン。フェザリアのスピードについて来れるかい?』


 女の3将。

 世紀末世界によくいた男勝りな感じの女性だ。


『この人は私が相手をする』


『じゃあ私も――』


 と、リオとパンサーの二人が風のフェインの相手に向かった。

 マジックメイルとパワーローダー。

 ガチの空中決戦が始まる。


『じゃあ俺達はこのオッサンを相手にするぞ』


 キョウスケは『了解』と返事する。



 Side フィア・バハムス


『フィア兄さん!! 無事だったんですね』


『リーナ、君までマジックメイルを――』


 どうやら相当状況的に追い込まれていたらしい。

 無理もない。

 まさか3将のウチの二人に空中戦艦までも送り込んできていたようだし。

 

『再開を喜び合ってる暇はないぞ弟』


『アルク兄さん――』

 

『この程度で敵が終わるとは思えん。3将が二人もいて撤退や後退の判断をしないのは気掛かりだ。何か策があるぞ』


 と言ってくる。

 確かにそうだ。

 ただ強いだけでは3将とは呼ばれない。

 

 何か策が――


『敵増援!!』


『学園周囲に包囲陣形です!!』


 飛び交う報告を聞いてアルクは『この程度では終わらん。まだ来るぞ』と注意を促してくる。


『さらに空中戦艦と3将の一人、火のマグナスが来ています!!』


『3将全員を投入してきたか。どうやら異世界に行く前に決着をつけたいようだな、父上は!!』


 その報告を聞いて笑い飛ばす様に言った。


『更に異世界の物と思われる空中戦艦や軍勢まで!!』


 更に凶報が届く。


『本気で潰しに来ているのか――』

 

 僕はそう思わざるおえず、ルークは達観したように『みたいだな――』と言った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る