リオの物語
Side リオ
これは私とパメラとパンサーが自衛隊と出会う前の物語。
私とパメラは日々は大変だったが村で生活していた。
物心を付いた時から生きる事の厳しさを教えられる。
銃の扱い方とかも教わる。
畑仕事とか労働も頑張らないといけない。
女の場合は特に辛い。
政略結婚の道具などにされたりするし、最悪身体を売って稼がないといけない。
だけどそれすら天国だと知ったのは故郷が滅んだ時だ。
住む場所も財産も全てなくなった。
そして各地を一緒に脱出したパメラと放浪した。
私達は励まし合って生きてきたが辛い生活だった。
身を売る事も何度か考えた事もある。
そうして恩師である女性に拾われた。
恩師である女性は私達に生きる術を教えてくれた。
厳しさと優しさを兼ね備えた女性だった。
正直私とパメラはこの女性の事を信用していなかった。
弱者は強者に食い物にされる。
それがこの世界の常だから。
何か裏があるに違いない。
私はそう思って警戒していたが、同時にもうあの日々には戻りたくないと言う気持ちもあった。
そうして数年が経過した。
私は殺しの術を。
パメラは技術や数学を学んだ。
私の心配――恩師である女性は聖女のような女性だった。
強くて、厳しくて、優しくて――
そんな女性だった。
そして――独立の日は唐突にやって来た。
恩師の女性の死。
最後に彼女の口から聞かされた言葉。
――お前達との日々は楽しかった。
死を悲しんだ。
とても辛かった。
だけど生きるためには下を向き続けてはいられない。
私達は懸命に生きるために頑張った。
パンサーと出会ったのはその頃だ。
最初は競争相手だったが色々とあって気が合い、共に行動する事になった
私とパメラ、パンサーの三人で仕事をやる。
そうして生活が安定し始めてきたが、貧乏暇なしな状況で予断を許さない状況だった。
正直依頼とは言え、グレイヴフィールド行くのは危険だとは思ったが、チャンスにはそれ相応の危険はある物だ。
そうして飛び込んで――彼達と出会った。
自衛隊の人達に――
そこからも色々と大変ではあったが生活その物はまるで天国だった。
食べる物にも着る物にも水にも困らない。
水浴びどころかお風呂やトイレもしっかりしている。
そして彼達は成し遂げた。
ヴァイパーズやリビルドアーミー、フォボスすら打倒して見せた。
この荒廃した世界は徐々にだが良くなくなってきている。
師匠が、あの人が見たらどう思うだろうか……
出来るのならばもっと傍にいて欲しかった。
☆
私はキンジ達に無理に言って恩師の、師匠の墓参りをした。
キチンとした墓を作り、そしてパメラと一緒に花束を捧げた。
キンジ達は気を遣ってくれて席を外してくれた。
私達、懸命に生きたよ?
愛する人にも恵まれたんだよ?
信じられないでしょう?
私も今でも信じられない。
それでね、決めた事があるんだ。
師匠が私にしてくれたように、キンジ達が私達にしてくれたように、キンジと一緒に幸せの輪を広げていこうって。
具体的にどうすればいいのか分からないけど。
けど、キンジ達と一緒ならきっと見つけられると思うんだ。
だから見てて師匠。
私達のこれからを。
私達が作り出す未来を。
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