雛鳥 ツバキの記録
Side 雛鳥 ツバキ 三尉
どうも陸上自衛隊のWAC(女性自衛官)、雛鳥 ツバキ三尉です。
数々の激戦が終わり、なにやら新たな戦いが始まってますがこの世紀末世界で元気にPXの手伝いしてます。
階級が上がってるのは戦時昇進とか人手不足とか色々な理由が重ねってるからですね。
相変わらず周囲は騒々しく賑やかでドンパチ実戦もありますが。
「リビルドアーミーの連中の姿も増えたな」
「まあここはジエイタイのお膝元だ。あんな事があった後だし悪い事はしないだろう」
変わった事があるとすればリビルドアーミーの兵士も見掛けられるようになったことでしょうか。
――まったく、この世界の人間は血の気が多いんだから。
――しょっぴくこっちの身にもなってくれよ。
最初は険悪なムードになったりして基地のMPが出動するなんてこともありましたが、最近は様々な勝負で決着をつけるようになりました。
「クソ、オセロ強い奴誰か呼べ!!」
「こっちもオセロ強い奴を招集しろ!!」
パワーローダーのタイマンとかもあったんですけど何故かオセロやゲーセンのアーケードゲームなどの遊戯にも勝負が及んでいます。
いやほんと、どうしてでしょう。
「どうしてジエイカンはオセロ強いんだ?」
「さあ?」
そして自衛官が勝ってケンカ両成敗的な結末も珍しくありません。
そうそう自衛官ですが――自衛官の恋愛事情は悲惨な物であり、よく問題視されています。
それを知ってか知らずか世紀末のアマゾネスなお姉さま方達が狙っていますね。
カップル成立しているのか仲良く歩いているところもよく見られます。
と、こんな感じで思ったよりかは平和ですね。
リビルドアーミーとの決戦やフォボスとの最終決戦の時はどうなるかと思いましたが。
なんとか収まるように収まった感じですね、
戦いが終わった後も、守備隊の大部分が留守にしている間はハイエナの如く野盗連中やらがやって来て大変でしたが地下族の人達やここに残った人達――本土側にいた自衛官も投入されての防衛戦となりました。
もちろん私も参加しました。
自分でこう言うのも何ですがヘタな自衛官よりも強いですから、私。
何気にパワーローダーを身に纏って戦う事も出来ます。
これでも元は後方勤務なんですよ?
信じられます?
「防衛戦、呆気なく終わったな」
「ああ。この世界の生物や無人兵器とかの方が手強かったな」
ちなみに防衛戦は楽勝でした。
と言うのも隊員達も戦い慣れていて防御システムはここに来た時に比べれば格段に良くなっています。
パワーローダーに身を包み、レーザーなどで武装した自衛官達が常駐。
機甲兵器もレールガンタンクだけでなくSF兵器で武装した戦車や戦闘ヘリ部隊もいます。
さらには無人ロボット軍団まで徘徊しています。
基地自体も迎撃システムは対リビルドアーミーの空中戦艦や陸上戦艦を想定した物であり、迎撃や攻撃システムにはイージス・アショアの改良型が搭載。
具体的にはビームやレーザーの迎撃システム、レールガンの砲台、プラズマミサイルなどが飛んできます。
さらに味方には地下族や世紀末SF武器で武装した地元住民(パワーローダー付き)もいます。
何が言いたいかと言うと、こんなのガチでフル装備したアメリカ軍でも落とせねえよ。
それでも防衛システムを掻い潜って時折やべー奴が襲撃してきたり――円盤とか火星の侵略ロボットみたいな外観の三脚ロボットとか、無人戦車とかマンモスみたいな生物とか、トリケラトプスとかサメとか。
失礼、本題から逸れましたね。
ともかく野盗ではもはや相手になりません。
と言うかここでの日常生活の延長線上みたいな?
そんな感じなんですかね?
そうそう、フォボス討伐部隊が帰還した後は本当に盛り上がりました。
それもリビルドアーミーなども交えてです。
リビルドアーミーが受け入れられたのも祝勝会と言う名の催しのおかげなのかもしれません。
そして五藤 春夫 陸将の最後の置き土産だったように思えます。
この催しは大盛り上がりで最終的にはパワーローダー同士の交流戦になりました。
その時の映像は今も残っています。
地球とこの世界のトップクラスのエースたちのぶつかり合いで噂では上の方で研究されているとかなんとか。
さらにはもう一つの地球世界、すなわちヴァネッサさんとの世界とも交流もはじまりはじめるとの事でこの荒廃した世界は便宜上、第一異世界、もう一つの地球世界を第二地球と分類するようです。
それぞれ呼び名を変えているのは機密扱いにするための工夫でしょう。
あ、そうだ。
ここから北にある狭山 ヒロト君が作り上げた町とも交流が始まるとの事です。
狭山 ヒロト君はアドバイザーのような役回りで手を貸してくれるのだとか。
ちょくちょく、ラノベの主人公のように女性を侍らせてここの売り場にも顔を出してくれます。
そして最後に地球での騒ぎ。
「聞いたか? 駐屯地もろとも転移したってよ」
「ああ、最初は耳を疑ったぜ」
駐屯地もろとも転移して新たな異世界への道――第二異世界が発見されました。
フォボスは様々な世界にちょっかいを掛けていたらしく、その調査のためにどうこうと言う話が来た矢先の出来事です。
これからどうなることになるのやら。
既に第7偵察隊は送り込まれて、第4小隊、第13偵察隊などの精鋭部隊も送り込まれる事になるんでしょうかね。
特に第13偵察隊。
世界を救った部隊とかもっともパワーローダー戦に精通した部隊とかエース部隊とか色々言われてますね。
実際は緋田 キンジ一尉と宗像 キョウスケ一尉のせいでちょいと不良軍人ぽいイメージがありますが。
戦況次第で間違いなく送り込まれるんでしょう。
第4小隊はここの守りとかもあるので早々配置転換はし辛いでしょうがどうなることやら。
今語れるべきことはこれぐらいでしょうか。
現在は防衛機密などの事情で当分の間、この世界での勤務が決まっています。
久しぶりに地球に帰ってゆっくりしたいですが何時の日になるのやら――
そんな事を思いながら今日もPXで経営の手伝いをします。
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