世紀末世界に生きる人達

第八話「旅立ち」

 Side 緋田 キンジ


 本来ならもっと数を送り込みたかったが部隊再編や相手の警戒心を刺激しないためにも俺たち第13偵察隊の他に第7偵察隊が送り込まれた。


 第7偵察隊も腕利きの連中らしい。


 特に印象に残ったのが


 宮野 ヒデト 一尉


 三木 ケイイチ 二尉。


 日高 ヨウコ 二等陸曹


 の三人。


 宮野 ヒデトは好青年と言った感じで三木 ケイイチは甘いルックスでホストとしてもやっていけそうだ。


 日高 ヨウコは勝ち気な自衛官の典型的な自衛官のWACと言う感じで人当たりもよく、ウチの女性WACと仲良くやっている。


 ウチと負けず劣らず個性的な面々だ。


 階級は宮野一尉が上でいざと言う時は彼の指示に従う事になった。


 リオたち三人が乗った荷物を積んだトレーラー。


 後ろにはパワーローダーを積んだ大型トラック二両。


 ハンヴィーに指揮車両と豪勢な装備の数々。


 まあ使う奴が殉職したり、世紀末世界から離脱したせいで放置されていたのを使ってると言う大手を振って喜べない事情もあるのだが。

  


 Side リオ


 パメラはとても上機嫌だった。


 私もそうだ。


 激しい戦いはしたが十分過ぎる程のお礼をもらったからだ。


 リビルドアーミーの連中とは大違い。


 あいつらは今より、よりよい未来や戦前の世界を取り戻すなどと言ってるが実際は野盗と大して変わらない。


 ヴァイパーズや野盗と結託しているなんて言う話もあるぐらいだ。


 そう考えるとジエイタイの人達は大丈夫だろうか。


 ヴァイパーズも今は大人しいが、必ずまた報復に出るが気前よく今の調子で接していたら必ずリビルドアーミーがやって来る。


 その事をジエイタイに伝えておいた。


 彼達はまだこの世界の事を知らないらしく、まずはコンタクトを取るつもりらしい。


 本当に大丈夫だろうか――



 Side 緋田 キンジ


 道中、やはりと言うか襲撃はあった。


 元々自分達がいるグレイヴフィールドは危険地帯だと聞いていたし、その事もこの世界に来てから実感している。


 以前と比べると装備も整ってるし、隊員達の心構えも違う。


 リオ達もいるのだ。


 楽にとは言えないが野盗程度や少数の変異生物程度なら相手にならなかった。


 そして――



 日が暮れる前にグレイヴフィールドから離れた場所でキャンプする事になった。


 丁度近くにもリオと同じく同業者らしき人々がチラホラいたので丁度良かった。


「グレイヴフィールドか。こうして外から見ると巨大な墓みたいな町だったんだな」


 キョウスケが言う通りだった。

 名は体を現すと言うがその名の通り、呪われた墓場のような場所なのだろう。


 俺は「そうだな」と返して情報収集を始めることにした。


 情報集めも今の自衛隊にとってとても大事なことだ。


 リオ達の同業者から色々と話を聞くことにした。

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