第169話 エピローグ(本編)
それから、改良
さぁ! これからやる事が山積みで忙しくなるわよ!!
えっ? 何のことかって?
決まってるじゃない、ゴリマッチョ騎士団を作るためにも新しい魔道具を開発したり、エブラータ王国のマッチョ人口を増やすためにも魔道具を開発して、皆の筋肉を育むための魔道具を開発するのよ!
……あら? 結局トレーニングマシンならぬ筋トレ魔道具の開発をするだけになっていたわね……。
あっ! そうそう、それだけではなくて、タンパク質を効率良く吸収する飲み物や食べ物、勿論プロテインも含め、より良い物を開発しないといけないわね!!
ビ〇ーがやってたみたいな運動も取り入れたら……って騎士たちには訓練があるから不要だったわね。
そちらは一般市民のマッチョ人口を増やす為に、取り入れようかしらね!
「……フィア! ソフィア!!」
通路を歩きながらゴリマッチョ騎士団の事を考えていたら、集中しすぎて何も聞こえてなかったみたい。誰かに呼ばれていたわ。
意識をゴリマッチョ騎士団から目前へと変更すると、そこに立っていたのはルーク王子だった。
「ルークお
「
ルーク王子は私がソラの時、お兄ちゃんって呼んで良いんだぞとしつこく言っていたのよね。それで、今のお義兄様呼びでちょっと調子に乗りそうになったから、睨みつけたら言葉を濁したわ。
そして、そういえば、アルティアの事が好きなのは、もやしだけではなかったわね。
「そうですね、現れましたがそれが何か?」
面倒な事になりそうなのが嫌で、思わず冷たい対応になってしまったわ。
「うっ、冷たいな。……知っての通り、私は女神アルティアを信仰しているだろ?」
信仰しているだろ? って、そんなもん知らんがな。
あらやだ、さも知っているかのように聞かれたせいで、突っ込みが思わず関西弁になってしまったわ。突っ込みといえば関西弁だものね。
「アルティアを信仰していたのですか?」
とりあえず普通に聞き返してみた。
「何だその言い方は……しかも信仰していたではなくしているのだ! まぁ良い。アルティアは何故ソフィアの挙式に現れたのだ? 今後も姿を現したりするのか?」
「知りませんよそんな事」
ダニエル様に聞けば良いじゃない、と言いそうになったけれど、ルーク王子はダニエル様の素性は知らなかったことを思い出し、とっさに返事をしたら、さっきよりも更に冷たくなっちゃったわ。
「そうなのか…………」
私のその返事に、わかりやすく肩を落とし、元気が無くなるルーク王子。
でも、本当に知らないんだから仕方ないわよね。
とりあえず、それ以外の用事は無さそうなので、元気が無くなったルーク王子は放っといて、さっさと魔道具の開発&研究室へ向かったわ。
まさかこれが、あんな事になる前兆だったとは露知らず……。
――――――――――
「という事で、これからは筋肉を
私は魔道具の開発&研究室へ入るなり、そう宣言したわ。
「筋肉を育むための魔道具ですの? 既に沢山ありますが、まだ必要ですの?」
アメリア様が不思議そうに尋ねてきたわ。
そういえば、エドガー様とノア様が、既に筋トレ魔道具を沢山作っていたわね!!
「あっ、そうでした! 開発ではなく改良ですね! あと量産!」
「確かに改良すべき点はまだあると思うけど、そんな大量に筋トレ魔道具ばっかり作ってどーすんの?」
アメリア様が居るけれど、エドガー様がだいぶ砕けた口調で聞いてきたわ。駿先輩な口調になるまであと少しね。
「勿論、この国最強のダニエル様や、今の騎士団長達が居なくなってしまう前に、騎士団員を皆ゴリマッチョにさせるのと、民間にもマッチョを浸透させる為です! 騎士だけでなく市民1人1人がマッチョであれば、戦争になったとしても負けることは無いですよね!」
「えぇ……何だその自論。マッチョになるだけで強くなれるわけではないと思うけど」
「エドガー様っ?! そんなけしからん筋肉を育んでおきながら、何をおっしゃるのですかっ?! たとえ戦いのセンスが無かろうとも、見た目がマッチョってだけで強く見えるじゃないですかっ!! それだけでも敵が
「えぇと……ソフィア、筋肉が絡むとア……発想が自由になるな」
エドガー様が何か失礼な事を言いかけたわね。私は、筋肉至上主義なだけよ。
「ソフィア様は、本当に筋肉が大好きなのですわね。まぁ、少し想像が激しいとは思いますが、身体を鍛えることに関しては賛成ですわ」
「さすがアメリア様っ!!」
「でも、全ての魔道具開発を、筋トレ魔道具なる物に
「えーっ、何故ですか?」
「最近流行りの美容系魔道具も最新式が必要ですし、エドガー様がおっしゃっていた、便利グッズなる物の魔道具も興味深いですもの。それをお蔵入りにするのは勿体ないですわ」
あっ、そういえば、つい最近だと見守りカメラとか、保存はできないけどリアルタイムで何をしているか見れるカメラ的なものを作る話もしていたわね。
あとミアも凄くくいついた掃除機や電子レンジ等、日本では欠かせなかった電化製品にそっくりな魔道具ね。
「確かにそうですね……では半々でお願いしますっ!!」
「半分ですか……まぁ、ソフィア様のお願いなら仕方ないですわね」
「えっ、仕方ないんだ?!」
エドガー様の突っ込みが室内に響いた。
――――――――――
そして、魔道具開発に勤しみ、ゴリマッチョな旦那様3人と幸せな日々を過ごしていたら、いつの間にか1年が過ぎていたわ。
そして、おめでたい事に、先日アメリア様に子供ができたのよ!!
……えっ? 私はって?
えぇと……ルーク王子の子供であり、ダニエル様とアメリア様がくっつくキッカケをつくった、セオドア王子の相手をしている私を見たノア様達3人が、子供ができるとそっちへ構い倒しそうになる雰囲気を感じたのか、子供の居ない期間がもう少し欲しいと言い出したので、アルティアの願いはそっちのけで、まだ避妊魔道具を使っているのよ。
私としては、子供が出来ても皆平等に愛情を注ぐつもりなのだけれど……。
それに、子供は可愛いけれど、筋肉は無いのだから、皆が何をそんなに心配しているのか謎だわ。
まぁ、それはそれとして、アメリア様に子供が出来たのを知ったアルティアが、胎内に宿っている子供から、神の力が感じられるのか調べたいと、エブラータ王国へやって来たわ。
そして、それを(何故か)知ったルーク王子が、アルティアが滞在していた、ダニエル様とアメリア様の館へ押しかけてきてワチャワチャ。
前に変えた緑の容姿が気に入ったのか、今回も私の色違いな姿で現れた女神アルティアに、ルーク王子が猛アタックをするという、誰も予想していなかった出来事が起こったのよ。
いやいや、それ女神。
駄義兄様(駄目なお義兄様の略)、女神に猛アタックって何してんのよ!!
しかし、アルティアも、人間から信仰ではなく愛情をぶつけられて混乱し、ワケがわからぬままあれよあれよと一夜を共にしてしまい(おい)、翌日ルーク王子から一緒になって欲しいと言われ、流されたの何なのかは知らないけれど、何故か了承したそうな……。
いやいやいや、アルティアも何やってんのよ! ていうか、神の力の管理とかどーすんのよ?!
と思ったら、セオドア王子がいるので、跡継ぎのことは考えなくてもいいからと、結婚はせずに週1ぐらいで逢瀬をするそうな。
いやいや、それって側室ですらない、単なる愛人では?? 女神が愛人って何よそれ?!
でも、女神という立場を考えると人間と結婚というのは……。
まぁ、本人が良いならそれで良いのかしら?
それにしても、アルティアは世間知らずで色々危なっかしいと思っていたけれど、まさかルーク王子なんかに捕まってしまうとは……。
まぁでも、ルーク王子はノア様のお兄様だけあって顔は整ってるし、ほどほどに筋肉のついた身体に、王子だから気品はあるから、普通に考えると悪くはないか。ルーク王子なんかとか言っちゃ駄目ね。それに、もやしに捕まるよりは全然マシだわ。
あっそうそう、そのもやしは、アルティアの使徒として何か色々やってるみたいよ。
ノア様も、今度こそこちらに干渉してこないという条件をのめば、もやしは放置するとアルティアに伝えたみたいよ。
って、もやしの話はもういいわね。
アルティアとルーク王子の話も、そういう事になったということで置いといて、アメリア様の子供の話に戻すわよ。
アルティアが調べた結果、アメリア様の子供は神の力が宿っていたらしいわ。
それにより、ダニエル様の武者修行という名の、神の力の補充はもう行かなくて良くなったみたい。
それって、結構な量の神の力が宿ってるって事かしら? と心配になったので、ルーク王子に会いに来ていたアルティアに確認したら、何故かアメリア様の子供は、存在するだけで神の力が補充される事がわかったらしいわ。
なので、先ほど述べたように、ダニエル様は神の世界へ戻らなくて良くなったし、前に言ったように、子供は少し強くて少し寿命が長くなるだけで、心配は無いと言われたわ。
存在するだけで神の力が補充されるって、どういう事かわからないけれど、子供の成長に問題がないならそれで良いわね。深く考えても仕方ないし。
という事で、そろそろ私も子供が欲しいし、筋トレ魔道具をどんどん量産させてゴリマッチョな騎士達を増やし、ゴリマッチョ騎士団を作るわよ!
――――でも、そのお話はまた今度になるわ。
念願だったゴリマッチョな旦那様が3人もできたし、毎日けしからん筋肉に埋もれて幸せに暮らしているので、本編は一旦ここで終わりになるわ。
次は後日談でお会いしましょう。
―――――本編 完 ―――――
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