第168話 改良コテージ

※本編最終話を目前に、山越えをしながらいちゃいちゃするだけの回です。


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 護衛の方々も困ってるし、精神年齢なんて気にしないで、気を取り直して山越え出発よ!


 また魔物に襲われないよう、新たな魔道具(ノア様がマルティネス王国滞在中に作ってくれていたのよ)も追加して山越えへ。


「また数日山登りですね」


 嫌な訳では無いけれど、すぐ帰れると思っていたので、ついついそんな言葉がでてしまったわ。


「ごめんなさいね。例の魔道具は使えるようにしておきたかったのよ」


「あっ、別に嫌な訳では無いですよ! 魔物さえ出なければハイキングみたいなものですし」


 はっ、またフラグ的な発言をしてしまったわ! でも、魔道具も増えたし大丈夫よね?!


「そう言ってもらえると少し気が楽になるわ。あっ、そうそう、新しい魔道具追加の他に、仮設寝所コテージも少し改良したから、今夜は楽しみにしていてちょうだいね」


 仮設寝所コテージを改良? 楽しみにしてってことは前よりさらに快適になったのかしら?




――――――――――




 そして山越えは順調に(皆の筋肉を触りながら)進んで行き、1日目の夜になったわ。


「ソフィア! 今日は私と一緒に、改良型の仮設寝所コテージに泊まるわよ!」


「あっ、出発の時に言っていた物ですね。何が違うんですか?」


「それは入ってからのお楽しみよ! エドガーとカイルの仮設寝所コテージも改良型だから、2人共しっかり確認しておくようにね」


 確認って何を確認するのかしら?


 と、疑問に思いながらも、ノア様に連れられて改良型の仮設寝所コテージへ入る。


「なっ……何ですかこれは?!」


「エドガーに色々聞いて、ちょっと再現してみたのよ」


 楽しそうに話すノア様。


 その再現した部屋とは、寝室の両サイドと頭側の壁が鏡張りで、浴室の壁が透明な造りの、所謂ラブホ的なものだったのよ!

 空良の時には行ったことが無かったし、噂でしか聞いたことがなかったので驚いたわ。


 ていうか、エドガー様が知ってるって事は、駿先輩の時に行った事があるのね……。

 まぁ40歳まで生きていたらしいから、そりゃ行ったことぐらいあるわよね……。


「エドガーいわく、こういう鏡張りタイプはそんなに多くなかったとか言ってたわね。でも色んな角度でソフィアの姿が見れるから採用したのよ! あっ、寝る時は反転させて普通の壁にできるわ。そして浴室は透明だと開放的で良いと思ったの!」


「えぇと……えぇ? いや、浴室はまぁ良いとして……鏡って……自分で自分が見えるの、普通に恥ずかしいんですけど」


「ふふっ、今夜は恥ずかしがるソフィアにいつも以上にそそられそうだわ」


 ノア様が悪い顔をして、とんでもない事を言っているわ!!


 という事で、恥ずかしすぎて顔を隠したり、お布団に隠れたりする私を、ノア様は巧みな行動で快感を与え、いつの間にか鏡を気にする余裕が無くなり、気づけばいつも通りな感じでHをしていたわ。


 恐るべしノア様……。


 そして目覚めた時には、周りは普通の壁に戻っていて、機嫌の良いノア様が私を優しく抱擁していた。


「おはようございます…………ええと、あの、エドガー様とカイル様の部屋もここと同じなのですか?」


「それぞれの要望を聞いて改良したから、こことは違うわよ」


「そうなんですね」


 良かったわ! 山越え中、毎日鏡張りな部屋で致すとか、恥ずかしすぎて無理だものっ!


「ホッとしてるところにあれだけど、エドガーの部屋は………」


ノア様が何か言っていたのだけれど、ホッとしていた私の耳には届かなかった。


「えっ? 何ですか??」


「んー……何でもないわ。さぁ、朝食を食べて今日も山越え頑張りましょうね」




――――――――――




 という事で、順調に(皆の筋肉を触りながら)進んだ2日目の夜。


「今夜は私の仮設寝所コテージだね!」


 エドガー様が元気よく叫んだ。


「そうですね。どんな内装なのか気になります」


 鏡張りでなければ、何でも良いわと思っていた私の無邪気な質問に対し、ニヤリと悪い顔をするエドガー様。


 あれ? 何よその顔……。


「えぇと……何ですかその表情……」


「いっぱい気持ち良くしてあげるから期待しといてね」


 先程の悪い顔から一転、にっこりと爽やかな笑顔になるエドガー様……何だか余計に怖いわね。

 そう思いながら、エドガー様の後に続き、少しこわごわと仮設寝所コテージへ入る。


「なっ、何ですかこれ?!」


 またもや驚く私。

 何故なら、部屋に入るなりドーンと大きなマッサージチェア…………に見えるけれど、何だか如何いかがわしい物体が付いている椅子が鎮座していたからだ。


「何って、ソフィアの身体を解してくれる椅子だけど?」


「ほぐす…………?」


「うん、普通のマッサージチェア+ αプラスアルファ性感マッサージ機」


「せいかん……?」


「センサーがついてて、俺がやるより確実に良いところを刺激してくれるからな! 期待していいぞ!」


「せんさー……いや……えっと、その間エドガー様は何をするんですか?」


「んー、視姦?」


 はいっ?! 何言ってんのっっ?!?!


 という事で、散々如何わしい椅子に解されて感度が良くなっていく私を、エドガー様は嬉しそうに眺めていたけれど、途中から興奮しだしたのか椅子と一緒になって触りだし、もう無理と思った時には椅子からベッドへ移動されていたわ。

 そしてそのまま、いつもより激しいエドガー様によって、私は快楽の海へ…………。


 目が覚めると、エドガー様の腕の中に居たわ。いつの間にか眠っていたのね。


「ソフィアおはよ」


「………………」


「ソフィア?」


「エドガー様……」


「あれ? 怒ってる??」


「怒ってはいませんけど……うーん、なんて言えば良いのか……あれを使うのは、もう少し短い時間にして欲しいです」


「えっ? 何で? 気持ち良く無かった?」


「やっ、気持ち良い事は良いんですけど……やはり人肌が良いというか……」


 寂しいというかなんというか、気持ち良いのは良いんだけれど……うまく説明できないわね。


「ええと、エドガー様に気持ち良くしてもらったほうが幸せな気持ちになるというか……」


 やだ私ってば、何を言ってるのかしら、エドガー様がぽかーんとしているわ!


「やっ、あの、ええと……」


「わかった! 少しだけにする! ていうか、もう使わなくても良いっ!!」


 何故かニコニコご機嫌になったエドガー様が、ぎゅうぎゅう抱きしめてくる。


「あっ、普通のマッサージ機能は使いたいので、捨てないでくださいね」


 普通のマッサージ機能もかなり優秀だったのよ。それに、使う時間を短くしてもらいたいだけで、別に使うことは嫌な訳では無いのよね……って、余計な事は言わないでおくわ。




――――――――――




 そして3日目も順調に(皆の筋肉を触りながら)進み、夜になった。


 ……えっと、カイル様の仮設寝所コテージは大丈夫よね?


 少し不安になりながらもカイル様と仮設寝所コテージへ。


 中に入ると、とりあえずは普通の部屋で一安心。


「ホッとした表情だが、ノア王子とエドガーの仮設寝所コテージで何かあったのか?」


 あらやだ、安心したのがバレてしまったわ。


「えーと、その、ノア様は寝室が鏡張りで浴室が透明な壁で恥ずかしかったのと、エドガー様は、その、マッサージチェアがあったんですけど、それが普通ではなくて……」


「あぁ、そうか、何となくわかった」


 何かを悟ったカイル様がそう言ったので、とりあえず説明をやめる。


「カイル様のお部屋は普通で良かったです」


「普通では無いんだが……いや、今聞かされた2人の部屋よりは普通か?」


 えっ! 普通では無いの?!

 と身構えたけれど、どう見ても普通の部屋よね?


 キョロキョロする私を見て、ふっと笑うカイル様。


「とりあえず、一緒に風呂に入ろう」


「えっ? あっ、はい」


 カイル様に促されお風呂に入ることに。


 そして、服を脱いで扉を開けると……。


「わぁ!」


 薄暗い浴室に色とりどりの光りが照らされ、浴槽には白い泡がたっぷり入っていて、泡や湯気に光が反射し、とても幻想的なお風呂になっていた。


「これは、凄いですね!」


「喜んでくれて良かった」


 後ろから抱きしめられ、またもや耳元で囁くカイル様。


 何度やられても、慣れない甘い低音ボイスに腰が抜けそうになるわ!


 しかも幻想的な浴室内だし裸だし、変な気分に…………カイル様もなっていたようね。


 流れるような動作で泡をつけられ身体を洗われ、いつの間にかいちゃいちゃモードになっていたわ。


 それにしても、ノア様とエドガー様とは違って、本当に素敵な改良ね!


 そして散々いちゃいちゃした後、お風呂を出て寝室へ。

 カイル様が私を抱き上げたまま、部屋の灯りを消すと、そこも幻想的な空間に早変わりしたわ。


 蓄光塗料で色を塗られていたのか、両側の壁には深海の絵が淡い光で広がり、天井には鮮やかに光る大きなクジラが泳いでいてとっても綺麗。


「とても、綺麗です……」


「こっちも気に入ったようで良かった」


 そして幻想的な部屋のベッドで絡み合う。

 何だかいつもより、満たされた気分になれたわ。


 ノア様もエドガー様も、カイル様を見習って、もっとロマンティックな部屋になるように改良をして欲しいわね……。

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