*本編完結* ゴリマッチョが大好きな令嬢のお話~周りには細マッチョしか居ないので諦めていたら、王城で理想のゴリマッチョと出会いました。頑張って旦那様にしたいと思います~
川埜榮娜
本編
第1話 プロローグ
私の名前はソフィア・ジョーンズ16歳。艶のある美しい銀髪に瞳は青紫。身長は165cm。
自分で言うのは何だけれども、超がつく美人で
美人 < 可愛い
活発 < おしとやか
豊満 <
↑ こうである。
……せっかくナイスバディに生まれ変わったのに何でこの世界は華奢な方がいいのよー!! 男も筋肉ムキムキなマッチョなイケメンで俺様男子(長いわ)が大好きなのに!!
ちなみに男性は程よい筋肉のついた身体に、優しい性格がモテる。
マッチョ < 細マッチョ
俺様 < 紳士
↑ こうである。
なぜなの?! 本当になぜなの?!
こんな感じで話せば何となくお分かりであろう、そう私は一時期流行った? 現代の日本から転生をした転生少女(笑)である。
とはいえ、転生前の事はそんなに詳しく覚えていない。
マッチョが大好物だったのと、見た目が幼くて身体も発育不足、その為いつも年齢を下に見られていて嫌だったのと、現代の生活様式をほんの少し、という記憶ぐらいだ。
マジ役に立たない記憶だわ……。
あっ、この言葉遣いもその影響かもしれない……だって私こちらでは一応貴族の娘だもの。――――おほほほっ。
さて、それはそうと一応この国の説明をしておこう。
この国はマルティネス王国という。王族・貴族・平民と、ファンタジーっぽい身分がある。
けれども、貴族には公爵や伯爵などの階級が無い。貴族は皆平等でそれぞれの領地を統治していて争い事も無い。
何故ならば人数が少ないうえに自分の領地を納めるだけで満足というか、基本的に争い事が嫌いな民族? のようで、よくあるどろどろした貴族社会とは正反対の、スッキリさっぱりとしたとても平和な国なのである。
何故かは知らんけど。
そして王族は、絶対的な権力を持っているわけではないが、世襲制で王族の血筋はずっと繋がっている。
なのでそれなりの権力はあるから一応国の中心だけれど……。
うーん、前世の皇族と総理が一緒になった感じ? よくわからないけれど、まぁ、よくあるファンタジーの偉そうでおデブな王様や、権力が大好きで戦闘民族な王様ではないことは確かね。
噂では王様も王子も王女も皆が礼儀正しくて美形だそうよ。
見たことないから本当かは知らんけど。
そして、隣国とも同盟を結んでいるので戦争は無く平和だけれど、辺境には魔物が出るのでちゃんと戦力はある――――騎士・傭兵・冒険者とか。
簡単に説明をするとこんな感じかしら。
なんか緩~い設定のゲームの世界みたいね。
さて、話を戻そう。
筋肉ムキムキ・マッチョ・イケメン・俺様男子! 略してゴリマッチョ(……色々足りないけれどこれでいいわ)が大好きな私は、物心ついた時からこの世界で理想の旦那様を探そうと頑張った。
何せ世の理想が細マッチョなので一般人は皆そちらに寄っている……。
頑張らないと見つからないのだ。
まずは騎士の中に居ないか探した。
が、騎士は主に王族や貴族の護衛が仕事で、うちの領地の騎士にはゴリマッチョが居なかった。
何故ならば、うちの領地は超平和で魔物も少なく、力が必要な魔物退治は傭兵や冒険者だけで事足りる為、実用的なバランスの取れた筋肉(何それ美味しいの?)が多い傾向にあるようだ。
そう、冒頭で説明をした細マッチョだ。
なんなの? 騎士が筋肉育てない意味が解らないわ。
もし魔物のスタンピードが起きたらどうするつもりなのだろうか。
……魔物のスタンピードとか起こるのかは知らんけど。
そしてゴリマッチョが居そうな領地や、王族の護衛騎士には簡単には会えない。
そもそも、他の領地や王城へ行く機会がないのだ。もう少し成長したら行けるだろうけれど……婚約の年齢を考えるとそれでは遅いのよ!! 仕方がないので傭兵や冒険者へ範囲を変更。だがしかし、ゴリマッチョはいるけれど、『英雄色を好む』のせいなのか、女の人を
あと顔もゴリばっかりだしゴリは身体だけで……げふんげふん。それにハーレムは却下だわ。
というわけで、
とりあえず婚約話が来ても、ゴリマッチョじゃなかった場合は即却下よ!
そして打ちのめされてから1年が過ぎた今、この国の第1王子、エドガー・ウィルソン18歳。金髪・碧眼で186cm。
それなりの筋肉(細マッチョ)で眉目秀麗、優しいが厳しい所はしっかり厳しい非の打ち所がない王子様(説明長いw)が、嫁探し……もとい、良い縁をお探しだそうでお茶会を開くというお達しが。
14歳~18歳までのまだお相手がいない貴族の女性は必ず出席すること……。
がっつり私当てはまってるじゃないの! ゴリマッチョじゃないとわかっている王子なんてどーでもいいわ! めんどくさっ!!!!!
とは思ったけれど、よく考えたら王城の騎士達見れるじゃん! もしかしたらそこに理想の方がいるかもしれない! と、1年が過ぎてメンタルが少し回復していた私は、希望を胸に王城のお茶会へと参加することにしたのだった。
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