第31話 放出!

 5番線に来た電車に乗り込む。


 ……現時点では、何も浮かばない……。



 そもそも『能力者』の捜索って……ヤバい事にならないのかな?



 ……それ以前に『俺の能力』って……?


 この前の『ハゲイタチ』にも、『小細工こざいく』しなければ、本当なら負けていた筈……だった。


 浅利さんの5択も見事に? 外してる……。 


 ……なのに、東矩とうがねさんは俺の直感を『そのまま』信じてくれている……んだよね……。


 浅利さんの5択の時……直感で『!』……と思った……。 それも、何か可怪おかしい……。



 などと考えていた時……


 ……!


 ……ん?


「……? 法外さん? 急激にアドレナリンが放出されました! どうかなさいましたか?」……と、東矩とうがねさんの『骨導音声』が、頭に響いた。


 あどれなりん……? ナニソレオイシイノ?


「ナニカヲ カンジマシタ」と、文章を送る。


 東矩さんが「次の駅で降りて、駅前で待機していて下さい。」……と言った。





 言う通りに直近の駅で降り、改札口を出ると見知らぬ男性が近付いて来て……


「『法外ほうがい かける』さんですね。 私は『K.K』です。 ……では、こちらに」……と言って乗用車に招かれた。




 ……そこには、既に高校生位のふっくらした女の子が乗っていた。


 俺が「法外ほうがいです」……と挨拶すると


 ……「はずめまて『鵜目うのめ貴子たかこ』ともうます⤴」


 ……と、可愛く笑いかけて来た。 


 訛りも、純朴で、ちょっと愛らしい。



 そして、俺達を乗せたまま、車は走り出した。

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