第21話 好奇心!

 「NOっす」


 俺は悩んだ末、直感と『Y.T』さんを選ぶ事にした。


 ……建物から『Y.T』さんが出てきて、そのままトラックに乗り、俺に抱き付いた!


 そして、俺の胸に顔を埋めてむせび泣いている。 ……良かった。 鼻にティッシュを詰めていたから『Y.T』さんに鼻血を垂らさずに済んだ。


 俺は、急に『Y.T』さんが愛おしくなり、軽く手を回して背中を優しく撫でた。



 暫くして『Y.T』さんが……


「人間は、自らの『好奇心』には逆らえない生き物……です。 ……法外ほうがいさんは、それを抑え込んでまで、私を信じて、そして選んで下さいました! 心から、感謝します!」


 ……と言って俺から離れ、トラックの床で頭を下げた。


 「そ、そんな! 『Y.T』さん! 頭を上げて下さい!」……と、俺も床に座って『Y.T』さんにお願いした。


 ……俺たちは目が合って、思わず笑い合った。


 ……俺はこの時『このタイミングで「……で、俺の本当の能力って何ですか?」なんて、口が裂けても言えねぇな……』なんて事を考えていた。

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