第5話 神経質夫とズボラ妻

まー君は若干神経質なところがある。


歯磨きは歯みがき粉を変えて朝昼晩2回ずつ。

(歯医者さんに磨きすぎて歯削れてるよ!って怒られてた)

お風呂は1日2回、夜と朝に入るんだけど寝る時はトランクス、日中はボクサーパンツというルールに則って着替える。

ベッドはコロコロかけて、寝てる私ごとファブリーズぶっかけてくる。


机の上はもちろん、クローゼットの中、バッグ、財布、ペンケースの中までマイルールで並びが決まっていて私が勝手に触ってそれを崩しちゃうと怒られるのでいじらない。


気に入ったものをずっと使うという習性があるのでストックのストックまで怠らない。

なのでシャンプーや柔軟剤はまー君が決める。

判断基準は、私がこういう匂いさせていたらいいなぁってイメージで決めてるらしい。


洗濯は私の干し方が気に入らず、こっそり洗い直していたことが判明したため、じゃあまー君がやって!となった。


まー君は、私のことを家事全然しないだらしない妻と思ってる。料理は唯一まー君のしない家事なのだが、それすら俺がやるとみつきが家事しなくなるから敢えてやらない、とのこと。


確かに私はだらしない。


朝4時に起きて資格の勉強して6時半に朝食を食べたいまー君。

炊き立てのご飯とみそ汁。おかずは毎日同じのでもいいからしっかり食べたい。そして野菜ジュース。

曰く、パワーモーニングだと。

最初は頑張って作ってた私だけど、もう起きれなくてギブアップ。まー君の朝食はスタバになった。


休みの日はゴロゴロ寝て、ただひたすら漫画を読む。

まー君もそれをわかってるので、寝てる私の枕元におやつと烏龍茶と漫画をセットして、私の頭をわしゃわしゃしてから仕事に行ってくれる。

私はそれに甘えてだらだら過ごし、16時くらいになると、やっべ!まー君仕事帰ってくるじゃん!と慌てて起きて、まー君が干してくれた洗濯物を取り込み、クイックルワイパーかけて家事やりました感を工作。


せめてもの償いで晩ごはんだけは、ちゃんと作る。

まー君が帰ってきたときにちゃんと一番美味しくなるよう出来上がりも計算に入れて。

まー君は私のポテトサラダが好き。ゆで卵作ってる間にジャガイモの皮むいてレンジに入れる。

玉ねぎをみじん切りにして水にさらす。キュウリを輪切りにして塩揉み。ウインナー適当に切って炒める。チンしたジャガイモを潰して、ゆで卵ぶっ込んで潰して、他のやつもぶっ込んで、マヨネーズと塩コショウを、がーーーってやる。

…。めんどい…。メインじゃないのにめんどい…。


まー君は朝ごはんの時は野菜ジュース、晩ごはんの時の飲み物は黒烏龍茶と決めてる。

その日、私は自分のコップに注いだ流れでまー君のコップに緑茶を入れてしまった。


「俺、黒ウーロン…」

「いいから飲めよ。」


ルーティンクラッシャーとなるズボラ妻。









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