第2話 まー君という人
元夫と付き合うことになるまで、私はとても癖の強い男たちと付き合ってた。
元カノ引きずり男、サイコパス男、イケメンナルシスト男…
だから大学1年生の時クラスメイトとして出会った元夫と付き合い出した時は、昔を知る友人から、
「みつき、やっと普通の人と付き合えて良かったね! 」
と祝福された。
元夫、まー君はとても真面目で向上心がありコツコツ頑張る人で、私はそれをとても尊敬していたし大好きだった。
同じようにまー君も私を大事にしてくれていた。
まー君は私と付き合ってすぐ、夏休みを利用した大学の語学研修でヨーロッパに2ヶ月間行ってたんだけど、滞在先から毎日電話をくれるような男だった。当時はLINEなんてものはなく、プリペイド式の携帯電話を買って国際電話をしてきてたため、通話料が高額だった。
お金が限界になると、今度は手紙をくれた。
観光地に売ってるようなポストカードに几帳面な字で細かく書いてあって、時には絵が飛び出すものだったり音楽が鳴るものだったり、私を楽しませたいという気持ちが伝わるものだった。
後から聞いたら、夏休みの間に離れてしまって他の男にとられちゃうんじゃないかと心配のあまり、なんとか連絡を取り続けなければと思ったそうだ。
その手紙の習慣はまー君が日本に戻ってからも続いて、何かのイベントの時はもちろん、毎月の記念日に手渡してくれた。
ポストカードもこっそりロフトに買いに行ってるようで、可愛い柴犬とか猫とか、私が好きなものや私をイメージして選んでると言う。
そんなこんなで19歳から始まり10年、まー君から貰った手紙は100通以上になった。
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