第2話 出会い

 もう20年も前になりますかAさんとはとあるオフ会で出会いました。

 2次会。

 お酒もちょいちょい入って楽しくなってきます。

 で彼は唐突に言い出します。


 「実は私催眠術が使えるんです」


 えっ?何?

 聞いていた人はみなビックリ。


 「これもご縁ですし、ここでできることを何かしましょうか」


 どうやらAさんは2次会まで残ったみんなを、縁をつなごうと心粋を持った人と捉えました。

 何かできないか?と考え、珍しい催眠術を楽しんでもらえるかな?と繋げたそうです。


 このとき、手を上げたのは2人、私とBさんです。


 人差し指がくっつく非暗示性テストをされました。


   イタズラの浣腸の指の形を作ります。

   そして指先をじっと見つめます。

   そのまま視線を固定したまま。

   指先をぐっと開きます。

   そのまま凝視していると、

   指先がどんどん閉じていき、指先がくっつきます。

    (観念運動)


 (おおおっ)


 とビックリしている内に、


 「手の隙間に接着剤が流し込まれます」


 と言ってAさんは、

 自分の手を接着剤のチューブに見立てて手の隙間に接着剤を入れように動かします。


 結果、私はくっつきませんでしたが、

 Bさんはがっつり手が固まっていました。


 「うぉ!なにこれ!」


 と興奮しています。

 みんながどんな感じなのかを質問していますが、その間も手はくっついたまま。


 「なかなかいい感じですね~お酒も入っているし嬉しいですね」


 AさんがBさんの手を取り軽く振ると手の硬直が解けました。

 そして直ぐ、再度手を固めます。


 「男性が催眠術かかるのは少ないんですよ。もっと楽しんでもらいたいけど、今日はこれくらいですね」 


 Bさんの手を解いて終了となりました。

 当時はBさんの言葉の意味がよくわかりませんでした。

 

 生催眠を初めて見たのはこんな感じでした。


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