第4話 カタレプシーの誘発1

 ラポールの構築ができたらカタレプシーの誘発を行います。


 カタレプシーの誘発の説明は長くなります。

 なぜなら成功させるには催眠誘導の知識・技術の全てが必要だからです。



 カタレプシーの誘発って聞くと何か特別なもの?ってイメージが湧きます。

 ですが何のことはなく、最初の催眠誘導をこう呼びます。

 同時に初のαアルファ波誘導でもあります。


 当然ですが、αアルファ波を測定しながら誘導する事はできません。

 見極めるには経験が物を言います。


 まずはどうやったらαアルファ波になるのでしょうか?

 脳に刺激を与えるとαアルファ波へ変化します。

 刺激は以下の3通りです。

 ・驚き

 ・リラックス

 ・疲労


 そして、刺激を与える方法には

 ・肉体的な方法

 ・意識的な方法

 の2つがあります。


 人間の特徴を知ると誘導が上達します。

 眠るような催眠状態を目指すのですが、まずは日常の中で眠るというか意識を失う状態を想像して下さい。

 どんな状況になれば意識を失うでしょうか?

 ・眠い時

 ・疲れきった時

 ・匂いや痛みなど5感に強すぎる刺激を受けた時

 ・殴られるなど頭に強い衝撃を受けた時

 ・柔道で絞め落とされるなど脳への血流が滞った時

 ・身内のご不幸などショックな出来事があった時

 など。

 日中の活動中には極端に針が触れないと意識を失うまでいくことはありません。

 多くの場合、肉体の刺激を受けて意識が引き摺られるパターンが多いように思います。


 強い刺激がなければ誘導ができないとすれば、動画で見るような催眠術は成立しません。

 コンボが決まってボーナスが付くように、少ない刺激でも効果的な組み合わせで催眠誘導が成立します。


 効果的な組み合わせで確実に言えることは、人は毎日必ず寝ているということ。

 理屈で言えば、被験者の眠るルーチンに合えばカタレプシーの誘発も上手くいきます。

 睡眠の流れを分解すれば次のようになりませんか?


 疲労 ⇒ 動かずじっとする ⇒ 眠る


 通常、布団に入ってから寝付くまで10分くらいはかかるようです。

 鬱の治療法の一つで、登山などで身体を限界まで疲労させると回復する方法があります。

 精神が疲労しきって戻らない状態を鬱と定義します。

 肉体を限界まで疲労させると精神と肉体のレベルが一旦合わさって、肉体の回復に引き摺られて精神が回復するんだそう。

 肉体と意識がリンクすると考えられるのです。


 肉体に意識が引き摺られるのであれば、動かずにいれば10分ほどで催眠誘導できるとも言えます。


 動かずじっとしてる時に身体の緊張を取らないと身体が眠った状態になりません。

 身体の緊張が取れた状態とはなんでしょうか?

 それは脱力した状態です。

 全身が脱力した状態が、眠くなる身体の状態です。


 肉体と意識の状態は以下のようになるかと推測します。


 身体:疲労 ⇒ じっとする ⇒ 脱力

 意識:元気            ⇒ 脱力 ⇒ 眠る


 催眠誘導では、椅子に座った状態で誘導する事が多いと思います。

 その状態で、睡眠の流れに合ったコンボを作ります。


 色々な方法がありそうに書いてしまいましたが、ぶっちゃけカタレプシーの誘発は、次の2つだけです。

 ・驚愕法 ⇒ びっくりさせる方法

 ・弛緩法 ⇒ リラックスさせる方法


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