第2話 ラポールの構築 合意
ラポールの構築です。
まず信頼関係を構築します。
『ラポール』とは心理学用語で、
『セラピストとクライアントの相互の信頼関係』という意味です。
信頼関係の多くは、目線が合うことから始まります。
目線を合わせ、会話を重ね、相手の内面を引き出す事で信頼関係が生まれていきます。
私が催眠誘導をする場合、『初めましての挨拶~飲み物の味が変わる』まで20分くらいを目標にしています。
挨拶して即催眠術で誘導できてしまいます。
実際の体験から考えると催眠術のラポールは心理学とは違うように思います。
催眠術では、倫理や法律を無視し脳の反応だけで考えると、
『無意識レベルで合意ができた状態』
が第1段階のラポールの構築であるといえます。
どういう状態が無意識の合意なのか?
私が思うに第一歩は目線が噛み合った状態です。
催眠術に限りませんが、目線が合わせられない信頼関係ってちょっと思いつきません。
目線が合うこと。
コミュニケーションをとる合意、ここから始まるのです。
そして第二段階として短時間で『何かをする』という合意形成を作ります。
なんで『何か』なのかというと、殆どの場合、相手は催眠術についてよく知らないからです。
会話の中で、
「催眠術は興味ある?」
「なにそれ!あるある」
これだけで『何か』について合意ができています。
また、目の前に手をかざしたり、こちらの指示で目を閉じてもらったりすることでも、『何かをする』ことの合意というか反応が返ってきます。
脳が起こす反応は思考ほど難しくありません。
吊り橋効果はご存知ですか?
吊橋の上で連絡先を教えたら結構な人数のリターンがあったっていう検証です。
緊張した状態では全く関係のない感情でも通ってしまうってやつです。
催眠術でも同じ仕組みを利用しています。
吊り橋効果は、『緊張した状態⇒恋愛感情』ですが、
催眠術では、『緊張した状態⇒暗示』へつなげます。
相手に何かある!何かされる!のような反応があれば、未知への恐怖・好奇心が発生しています。
そして緊張状態が生まれます。
この緊張状態を維持し、次のカタレプシーの誘発へとつなげていくのです。
相手から『何か』への反応があれば催眠術へのとっかかりができます。
私はエンタメとして催眠術を使います。
詳しい合意は重要ではありませんが、誘導の成功率を上げるため最初に催眠術について説明します。
そして誘導のため接触しますという同意を得た所で、ラポールの構築が終了したと判断します。
接触の合意を得るのは、合意なしに接触するとビックリしてしまい誘導が中断される恐れがあるからです。
◆大前提
・目線を合わせる事
◆説明して合意を得る事
・催眠術について説明
・催眠術をする事
・催眠誘導にあたって接触をする事
◆ラポールの為の準備
次は私の事前準備です。
相手に会う前から催眠術の準備は始まっています。
○清潔な身だしなみを整えます。
・白のシャツ
清潔感を与える他に、白は意識を真っ白にする意味があります。
・青の小物
ネクタイやハンカチなど
青は誘導に適した色です。ペンライトを使うときは青のペンライトを用意します。
・腕にはアクセや時計などつけない(肘まで露出させる)
時計などが髪にからまると催眠が覚めます。
せっかく誘導までいったのに勿体ないことです。
○口臭をどうにかします
ブレスケアがほとんです。
○爪を切ります
相手に引っかかる事がないように丁寧に丸めます。
○背筋を伸ばします。
伸びた背筋は自信の現れです。相手がそう思ってくれるように表現します。
○腹から声を出します。
相手に響きます。何気に重要です。
○小道具を用意します
簡単なマジックのネタを1・2個用意しておきます。
催眠術が不発のとき用にタロットを用意したりします。
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