第21話 人間の力を越えたAI
1コマ目
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
研究所にて。
教授「ついに人間の力を越えたAIが完成したぞ! 助手くん、こっちに来てくれ」
助手「こ、このまがまがしい形はいったい何ですか。これが人間の力を越えた……」
――――――――――――――—————————―――――――――――――—
2コマ目
――――――――――――――――――――――――――――――――――――—
教授「そうじゃ。まず人間よりも足が速くないといけないので、AIに自動車を取り付けた。次に、人間より重い物を持てなくてはならないのでクレーンを取り付けた」
助手「すごい。これじゃあ人間はかなわないな」
教授「それだけじゃない。人間より大きな音を出すための巨大スピーカー。人間より熱いお湯を出すためのシャワー。人間よりも動物に好かれるためのペット用品一式」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3コマ目
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
助手「こ、これじゃあ、人間の存在理由がまったく無くなってしまうじゃないですか! 教授、これは発表しない方がいいですよ!」
教授「わしもそう思っておったのだが、完成にはどこか足りないような気がするんじゃ……」
助手「はっ! これには生殖機能がありません。人間は生殖して増えていきますが、このAIには無理でしょう。となるとやはり人間の方が上です」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4コマ目
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
教授「なるほど、そういうことか。しかしどうやったらAIに生殖機能をつけることができる……?」
助手「このAIそのものを工場にするんです! そうすればいくらでも自分自身を作ることができる」
教授「なるほど」
数日後、大音量を発し、熱湯を撒き散らし、犬猫を引き連れた大量の謎の機械が増殖しながら東京中を走りまわるという事件が発生した。一日後には自衛隊によって全機破壊され、数名がやけどを負った程度で済んだ。自衛隊員のひとりは「こんな何にも役に立たないものを作ったのは誰だ。ほとんどテロ行為と変わらない」と文句を垂れたという。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おわり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます