追放サイド 7話 誘い嘘つき
それから1か月が経過した。【特殊装甲】を任された
ここで実績を残し、多少の意見を聞いて貰えるようにする。そうすれば【磯川班】とも縁を切れる。
そう考えると、この程度のトレーニングでは、まだ足りない。
もう1セット身体を鍛えようと機器に向かい合う。
「お、いたいた。探したぞ、メスイヌくん!」
岩間が訓練室にやってきた。
バーベルを下ろして身体を起こす
「【特殊装甲】を持つ俺達でチームワームを磨いた方がいいと思うんだ」
「はぁ。なんでまた? 怪しいですね」
「まあ、そう思うわな。ぶっちゃけて言うと俺だって誘いたくはないさ。でも、ある程度自由になるには、それなりの成果あげないといけないからな。そのためにも【特殊装甲】を持つ俺達は相当重要なポジションなんだよ」
「楽するために僕を利用したいってわけですか。岩間さんが考えそうなことですね」
「てめぇ.....。いや、まぁ、そういうことだ。理解が早いくて助かるよ」
だが、そう言うことならばこちらとしてもお願いしたい所だ。
目的は違えどやることは一致している。ならば、成果を上げるために手を組むのはありかも知れない。
岩間の提案を飲んだ
中学校に【
自分と同世代の子供たちを思い
入口に向けて歩いていくと【壁】の一部が崩れ修復している最中だった。【
いや、それは有り得ない。
この場所には【竜戦の英雄】と並ぶもう一人の英雄がいるのだから。
きっと磯川班のような隊員達が壊したのだろうな。
「よぉ、手続きはしておいた。早速入ろうぜ?」
中に入ると岩間が既に手続きをしていたようだ。【
中で何が起きても自己責任という念書だ。
拇印して
「ふぅ……。この感覚――久しぶりだな」
全身を襲う徒労感、脱力感。
【
校舎の中を探索していく。
無数にあるかつては教室だったものも今では【扉《ダンジョン】の一部となっているようだった。
周囲に【
「……思い出したくないもん思い出したな」
そう言って
「【
中に入れたのは【
腕力を強化し敵を殴り倒す。
標的に向けて一歩踏み出した時――、
「バーカ! もう一回怪我してろ!」
後頭部に衝撃が走り階段を転げ落ちる。
落ちた先には【
思わぬやってきた餌に迷わず食らいつく。
頭部にドロリと暖かい粘膜が、落下の衝撃で切れた頭皮と混ざっていく。
朦朧とする意識の中――岩間と浅田の笑い声が校舎に響いていた。
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