戦艦大和ってやっぱロマンあるよね
「ふむ。これが戦艦大和か……」
僕は視察として海軍工廠に訪れていた。
そこでほぼほぼ完成した戦艦大和を見ていた。
はー、これが実際の戦艦大和かすげぇーな。
なんか少し感動してくるわ。
「はい!そのとおりです!史上最大にして唯一46センチ砲を搭載した超弩級戦艦46センチ砲は敵戦艦を真っ二つに引き裂き、大和の鉄壁の装甲は相手の砲撃をいとも簡単に弾くでしょう!」
戦艦の設計者である男が自信満々に話す。
よほど自信があるみたいだな。
確かにこの巨大さと威容さを持った戦艦大和ならどんな敵でも粉砕し、不沈艦として日本に勝利をもたらしてくれると考えてもおかしくないだろう。
なんか僕もそんな気がしてくるし。
実際は沈んで日本は負けちゃうんだけどね。
でも、やっぱ戦艦大和ってかっこいいな。ロマンに溢れているよ。
この世界では世界三大長物って言われないように活用の場を用意してあげないと。
まぁ、日英同盟のせいで海軍大国の2国が手を取り合っているせいで海の方で敵なりうる国はもはや存在しないと言ってもいいくらいなので、必要になる時が来るのかどうかはわからないが。
え?大艦巨砲主義ではなく、航空主兵論に切り替えたのではなかったのではないか?だって?
いやいや、無理だろ。
いくら天皇とはいえ、大艦巨砲主義が主流の海軍に航空主兵論を押し付けてもいいことにはならないだろう。
海軍に五・一五事件を起こされても困るもだ。
僕は航空主兵論を推薦しただけ。
でも、そのおかげで戦艦の開発、建造にも力を入れる一方で空母にもかなりの資金と資源が投じられた。
それにより世界一の空母保有量国である。
まぁ、大日本帝国はインドと豪州を手に入れ、そこそこ資源もあるからね。よゆーよゆー。
「なるほど。これならば我が国の前に立ちふさがるすべての敵を粉砕しうるだろう」
「えぇ!もちろんです!」
「空母のほうはどうなっている?」
「は!こちらになります!」
僕はその後も海軍工廠の視察を続けた。
仮想敵国が陸軍国家だからどうしても陸軍を優遇しざる負えないから、こういうところで帳尻を合わせをしなければいけない。
僕のいた世界のように陸軍と海軍の仲が悪いままだと困るのだ。連携が取れずに負けました。とか笑えない。
日本が負けちゃったら天皇である僕が殺されちゃうよ。
昭和天皇と違って僕は色々と動きすぎているし。
いやーそれにしても資金と資源の代わりを僕を視察するだけで補えるんだから。すげぇよな。天皇パワー。
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