イチャイチャするんだよ!前世からの願いだよ!
「はい、どうぞ。コーヒです」
「あぁ、うん。ありがとう」
僕はつ!ま!そう!妻である明菜が用意してくれたコーヒーを胃の中に流し込む。
カーッ!徹夜後のコーヒーはキマるわ!
まったく。なんで天皇である僕が徹夜して仕事しているんだよ。
政務をぼくにやらせるなっつーの。
まぁ、いろんなことに首を突っ込みすぎた自分のせいなんだけど。はい。自業自得ってやつですね。
「昨夜はかまってもらえず寂しかったですわ」
「ごめんやん。仕事溜まりにたまりまくっているんだよ」
はー、なんで安徽軍閥に派遣した義勇軍負けそうになっているんだよ。負けんなよ。それでも男か。
撤退命令出しとかないと。これ以上日本軍人の被害は出したくないし。
「紅茶……」
僕の隣に立つもうひとりにつ!ま!そう!妻が紅茶の茶葉を持って悲しげな声を上げる。
「『徹夜明けにはコーヒーなんよ。別に紅茶が嫌いなわけじゃないよ』」
僕は高校生活で磨かれた完璧な英語で僕の側室になった妻、シャーロットに告げる。
「『そうですか。じゃあ、しっかり寝た後は私が美味しい紅茶を入れてあげますね!』」
だが、シャーロットは僕の高校英語では聞き取るのでさえやっとなほどのキレイで流暢な英語で返してくる。
くっ!負けた!
「『ありがとう』」
……僕硬水の紅茶あんま好きじゃないんだけど。ドロっとしてて。
まぁ、余計なことは言わないけど。
「あー、それにしても中国で内戦にイタリアでも内戦。まったく。日本で内戦など起きないといいが」
日本では社会主義者共はなんか勝手に分裂して、勝手に勢力を衰えさせているので、社会主義者共の反乱は起きないだろう。
だが、問題なのは軍部の暴走だ。
史実よりはひどくないのだが、それでも何の問題がないわけでもない。
ブッラクマンデーの影響も小さく、インドや豪州などを手に入れたことで国会改造運動は盛んではなく、張作霖爆殺事件なども起きてないので関東軍の肥大化していない。
満州はほしいので張作霖爆殺事件起こして、満州事変起こしてもいいよ?満州の油田がほしいんじゃ。
だが、依然として皇道派の奴らはいるし、軍事政権を作るべきと言う奴らはいる。
「そうですね」
「『日本も一枚板じゃなかったんですね』」
「『うん』」
シャーロットが日本に来て一番驚いていたのは内部のガタガタ具合だ。
まぁ、急速に成長してきたのだから仕方がないといえば仕方がない。
二人とイチャイチャしながら政務を進めていると、コンコンとドアをノックする音が聞こえてくる。
「入れ」
「失礼します。犬養首相が到着されました」
「わかった。すまない。二人とも。少しの間出ていってくれ」
犬養首相を執務室の中に通し、向かい合う。
「やぁ、犬養首相。社会主義者たちはどうかい?」
「内部分裂により、社会主義者たちの危険性はしばしの間なくなったと見ても良いのではないかと思います」
「ははは、君と私の仲ではないか、くつろいでくれ」
かしこまって話す犬養に僕は笑いかける。
幼い頃から色々と手伝ってもらったのだ。そこそこ交流がある。
……それ故に必ずや起きないように注意していかなければならない。
「じゃあ、そうさせてもらうとしよう」
「そして犬養。現在における日本の問題は何だと思う?」
「うむ。やはり軍部の暴走ですな」
「あぁ、そのとおりだ。まぁ、軍拡を進めた僕が何を言っているんだ、って話ではあるが」
「うむ。軍部による政権の確立を目指す。それは日本のため、断固として防ぐべきこと。でなければ、国家という名を借りた暴力機械が誕生することになってしまう」
「あぁ。それは断固として避けなければならない。極度に効率化されたっ国家に民衆の心などない。人を燃料に無限に戦争を行うことなるだろう。日本においての理想的な政治形態こそが立憲民主制であり議会制民主主義だ。それを守るため、犬養には尽力してほしい」
「えぇ、もちろん。しかし、私ももう年だ。先も長くない」
「あぁ、そうだ。だからこそ今君を呼んだのだ。民主主義を守りうる政治家に心当たりはあるだろうか」
「うむ……。それでは彼などは……」
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