第36話

「ねぇ賢人!、今日、賢人の家に行っても良い?」Vライブ一期生のコラボ配信が終わった翌日、僕は賢人にそう喋りかけていた。


VTuberとして活動して以来、全く行くことが出来なかった賢人の家。僕は賢人と部屋でオタク談義をできることを楽しみにししている。けど、賢人の反応はいまいちだった……

僕は何かあったのかと賢人に問い掛けた。

「賢人、どうかした?」その言葉に賢人が

答える前にチャイムが鳴り、結局何故反応が薄かったのか知ることは出来なかった……


Side賢人

俺達Vライブ一期生のコラボ配信が終わった翌日、親友の海里が俺に向かって言葉を発した。

「ねぇ賢人!、今日、賢人の家に行っても良い?」海里のその言葉に俺は即答出来なかった。『身バレ……』VTuberとして活動しているなら絶対になってはいけない禁錮とも呼ばれる事件。それが例え海里だとしても例外ではない。俺が戸惑っているとそれに気づいたのか海里が言葉を掛けてきた。

「賢人、どうかした?」その言葉に俺は答えられなかった。時間があれば応えられたかもしれない。だが、今の時間は授業前の十五分程の自由時間だ。そして俺は海里に理由を伝えられずそのまま学校を下校した……


家へ帰って俺は自室の片付けをした。自分がVライブ一期生覆面ケンであることを隠さないといけない。俺は海里が来るまでの間に 自分が考えうる限りのVライブグッズを机の奥底にしまう。

そして片付けが一段落した頃、俺の家に海里がやってきたのであった………


Side海里

学校が終わり放課後がやってきた。僕は素早く家に帰ってそのまますぐ賢人の家へと向かう。賢人の家は一軒家だ。しかも賢人には

来年高校生になる妹さんがいる。

 その妹さんも賢人に負けず劣らずの顔面偏差値を持っている。久し振りの賢人の部屋でVTuber談義をする。僕はその事に胸を弾ませていた。


スキップしながら歩いていると目の前に賢人の家が見えてくる。僕はインターホンを一回押して賢人が出てくるのを待った……


賢人が出てきて賢人の家へとお邪魔すると僕はまず賢人の部屋へと向かう。僕が賢人の 部屋に入るとそこはとても綺麗にされていた。僕である天原夜空のアクスタやノエルちゃんのキーホルダー。そしてVオフィス全員集合のポスター。それらが部屋一面に飾られている。それらを見終えると僕と賢人はVTuberについて話を始めた。


「最近、お気に入りのVTuberは?」その 共通のお題に僕達は喋り合う。

「俺は夜空たん達Vオフィス二期生かな?」

その賢人の言葉に僕は少し顔を染まらせる。

僕も負けじとお気に入りのVTuberについて喋り倒した。


「最近はVライブ一期生を結構見てるよ!」僕のその言葉で僕たちの会話はもっと加速する。そしてどれくらい時間が経ったのかわからなくなった頃、賢人の妹さんの灯里ちゃんの呼び声で僕達の会話は一度終了したのであった…………


賢人が妹さんと飲み物を探しに下へ行ってから5分が経った。そんなに飲み物を探すのは大変なんだろうか? 僕は暇をつぶす為に

賢人の部屋を少し詮索する。 けれど、これがあんなふうになるなんて今の僕には知る由もなかった……



ふと目に入った賢人のPCから見えるtwitterの画面。そこには絶対にあるはずのない画面が写っていた。


@覆面ケン

#お前たちの心を盗む怪盗だ!!

#Vライブ一期生


僕が最近見ているVTuber企業。Vライブの

一期生の一人覆面ケン。僕は

もしかしたらの可能性に辿り着いた。そうではないことを願って僕は戻ってきた賢人に言った。

「賢人って、覆面ケンなの?」その違ってほしいそんな願望を込めた言葉に賢人は無言の肯定をした。そして暗い雰囲気のまま賢人は喋り始めた。

「どこで気づいた……」その言葉に僕は戸惑いながらも応えた。 

「パソコン画面のtwitterで……」

その言葉に賢人は言葉を発する。

「こんなところからでもバレるんだな…… そうだよ…… 俺はVライブ一期生覆面ケンだ。驚いたか? そうだよな…… これでお前は俺のことをVTuberだと思って接するわけだ……」そんな賢人の独白とも言える

言葉に僕は我慢が出来なくなった。僕は賢人に自分が天原夜空だということを告白する。


「賢人がVTuberだって僕は普段通りに接するよ! それと…… 」と少し間を開けて


『賢人の夢を僕はずっと応援してるよ!!』と夜空の声で僕は言った。今のままだとこれからの賢人の関係が悪くなってしまうかもしれない。それは絶対にやだ。僕はそんな思いで賢人に言った。すると賢人はゆっくりと言葉を綴り始めた。

「海里って夜空たんなのか?」その言葉に僕は肯定の言葉を発した。


「そうだよ! 僕はVオフィス二期生天原夜空だよ!」僕のその言葉の後、僕と賢人は

改めてVTuberについての談義を始めた。

いつぐらいにVオフィスとVライブでコラボをするのか…… ここでは言えない機密情報なども話した。そして時間が午後6時を占めた頃、僕は賢人の家を出発して自分の家へと帰宅した。


家へと帰って僕は自分の部屋で今日のことについて思い出していた。親友である賢人がVTuberだった事。そして、賢人がVTuberになった上で様々な不安を抱えていたこと。そして僕の正体を教えたこと。それらが僕の頭の中を回っていく。 いつかノエルちゃんにも賢人の秘密を紹介したいな……


僕はそう思いながら目を瞑った……


……………………………………………………ということで、話が急展開に入りました。

親友である賢人と海里のVTuberとしての対立…… 前からこの話は書いてみたいと思っていたので自分自身満足しています。


そして、沢山温かいレビューや応援コメントをくださった読者の皆様。とても助かっています。応援してくださってる皆様の期待に答えられるように少しずつですがきちんと更新していきたいと思います! 次回の話は一話ぶりの配信にしたいと思っています。


もしもこの話が面白いと思ったらフォロー、レビューその他諸々してくださったら嬉しいです。



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