第二十六章 とあるチベット僧の日記
第二十六章 とあるチベット
私は久しぶりにカルティック・ナイトを訪れた。待ち合わせしていたのは
「
店に入ると、先に来ていた
「お久しぶりです。今日はお時間を頂きまして、ありがとうございます。」
私も話を聞き出すために呼び立てたので
「いえいえ。面白そうな話だから乗っただけですよ。それより何にします?私はもうブランデーを頂いています。」
「マルガリータ。」
私は挨拶もなしにただ一言注文した。
「
「はい。ある特別なラーマーヤナを巡って人がもう二人も亡くなっているんです。」
「ほおう。」
「
私がそういうと
「見つけたのですか!?」
「二冊は見つかりました。二冊とも警察にあります。」
私がそう答えると
「
私は心配になってそう声をかけると、今度は
「ようやく見つかった。」
「
明らかに
「
「
「ええ。あのラーマーヤナは特別なのです。その存在を知ったのはもう三十年以上前になりますかね。少しこの年寄りの昔話を聞いて下さい。」
「私はもともと語学研究者だったのですよ。
「チベット?」
私は思わず聞き返してしまった。
「おや、そんなに
「ええ。まあ。」
今の私ですら
「チベットは
「え?」
私は声を
「私があのラーマーヤナの存在を知ったのはとある
聞いたことがある話だった。まるで日本のインド研究者たちの間で
「
「
初めて聞いた。どこの
「
「当時は私も研究者でしたから、
「その友人って
私に出来上がったマルガリータを差し出しながら
「もう昔の話ですよ。」
「
「
「やっぱり本当にいわくつきの品何だね?」
「前々から思っていたけどマスターはこちら側の人間だね?不思議なものが見えたり聞こえたりする。私も同じですよ。だから隠すことはない。そうでしょう?マスター?」
「
「そのマスターが止めるということは良くない品物なのでしょう。でも何十年も追って来たからには
「私は
私がそう言うと、
「お願いします。
ここに
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