カルティック・ナイト
相模 兎吟
第一章 カルティック・ナイト
第一章 カルティック・ナイト
「
「ダメ。」
「
「それもダメ。メモならとってもいいですよ。あなた
「
「いいわよ。それで?私に三十万払って、
ぼったくりもいいところだ。
「ええと、そうだな。私の
「信じてないの?」
少女は私に
「信じてないわけじゃないですよ。両親はもう亡くなってるし、恋人も友人もいない。
やけっぱちに聞こえるかもしれないが本当のことだ。
「そう。」
少女は
「
「特に何も。
実は次の
「あなたやっぱり
「いえいえ、そんなことないです。じゃあ、
「
「これは仕事です。遊びでやってるつもりはありません。
そこまで言うと
「こちらへどうぞ。」
「うっ。」
思わずえづいた。
「ここで
「それ、どうしたんですか?」
私は
「
「
「じゃあ、始めるわよ。私がいいって言うまで一言も
「分かりました。」
私は
そこから六時間、
「もう
「結構時間かかりましたね。こんなにかかるなら、最初に言ってほしかったです。」
もうオフィスに戻って
「いつもならもうとっくに呼び出せてるはずなんだけど。」
「いいです。いいです。そういう時もありますよね。最後に
私は笑顔でそう言ってカメラを
「後日
「はい。スケジュールを確認してご連絡します。」
二度と来るものか。心の中でそう言って、シャッターを
バー・カルティック・ナイト。今のマスターも
「こんばんは。」
そう声をかけて店に入ると、マスターと
「いらっしゃい。」
マスターが私の顔を見てそう言った。店内を見回すと、カウンターに二人、テーブル席に二組の男女がいた。私はもちろんカウンター席についた。
「今日は何にしますか?」
「ソルティードッグ。」
お
「どうぞ。お疲れ様。今日は
マスターが
「そうなんです。今日は
「うわあ。
マスターが
「どんな感じだった?」
マスターがいつものように聞いてくれた。
「
「
マスターが
「いえ。彼女のは
「
「来てくれませんでした。」
「それは
「はい。」
私は
「もし
話の
私はこの店に何年も
「
私は
「ねえねえ、話は変わるんだけど、今日ケーキ作ったんだよ。」
マスターが
「ケーキ?何ケーキですか?」
「ナポレオンパイ。」
マスターはそう言うと、
「甘くていい香り。赤のグラスとそのケーキをお願いします。」
「そう言ってくれると思ってたよ。」
マスターはお茶目なウインクをしてそう言った。マスターは料理好きで、ケーキだけではなく、ラザニアやら、ミートローフやら、ビーフシチューやら手の込んだものを作っては店で
赤ワインとナポレオンパイはどちらも最高に
「マスター、ケーキ最高に美味しかったです。この店、私が死ぬまで続けて下さいね。」
「ハハハ。じゃあ、悪魔にでも頼まないとね。」
マスターは
「じゃあ、そろそろ帰ります。ご
手作りケーキを
「
私は
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