第6話 予選 開幕! 紅の準備運動
前書き(後日前書きは消します)
推敲順調なので今週は、火、木、土日で更新予定
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試合開始と同時。
「よっしゃー! やってやるぜ! スキル『連続射撃3』!」
叫び弓を構え攻撃姿勢に入る蓮見。
目の前には二人のプレイヤー。
二人共近接攻撃が得意の剣と片手剣。
「「うぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」」
雄たけびをあげ走ってくるプレイヤーの動きを確認。
「もういっちょ、スキル『連続射撃3』!」
五本の矢が二回、計十本の矢が放たれる。
直後、鏡面の短剣を手に持ち動き始める。
足の裏を爆発させたように一気に距離を詰めていく。
「悪いが俺も日々成長しているんだよ!」
回避行動を取り始めた二人に蓮見はまず片手剣を持った筋肉質の男に向けて鏡面の短剣を突き刺すも左手の小さな盾で防がれてしまう。
「甘い! Killさえされなければどうってことない!」
鏡面の短剣を防がれた。
そこに剣を持った男の一撃が来るも両膝を曲げることで回避。
「へへっ、そう上手くは行かないか……ならスキル『迷いの霧』!」
持っていた鏡面の短剣を捨て、アイテムツリーを開く。
「俺様と言えば爆発ってな!」
毒の霧が晴れだすと二人の男の間に蓮見が毒煙に紛れ逃げ出す際に投げたブツがちょうど落下して落ちてくる。
「しまっ――手榴弾ッ!?」
「マズイッ!?」
視界に入った者が手榴弾と思った二人が防御姿勢に入る。
だがそれは間違い。
両手を使い耳をふさいだ蓮見がニヤリと不敵に口角をあげると同時に甲高い音が鳴り響く。
キ――――ン!!!
そんな音が二人の男の聴覚にダメージを与える。
蓮見と言えば爆発。
そんなイメージが合った二人の男。
勝負とは駆け引き。
騙し騙される世界。
だから反則ではない。
口も立派な武器の一つ。
騙された二人に今度は両手に鏡面の短剣を持ち再度突撃してくる蓮見に上手く反応ができないでいた。聴覚を一時的に失い軽いパニック状態になっているからである。
「今度は逃がさないぜ! 俺様全力シリーズ『悪魔の一撃』!」
――ブスッ!!!
確かな手ごたえを感じた蓮見はお尻に突き刺した鏡面の短剣を勢いよく抜いて不意打ちを喰らった男の首を切り裂く。Killヒットにより片手剣の男を倒した。
「き、きさま……」
「次はお前だ!」
双剣使いのようなふるまいをする蓮見。
左手に持っている鏡面の短剣を男に向かって投げる。
が、身体を半身にすることで難なく躱されてしまう。
「なら、二発目!」
今度は右手に持っていた鏡面の短剣を投げる。
が、またしても躱されてしまう。
「なら、行くぜ! 俺様全力シリーズ『煌めけ輝きの一撃』!」
男との間合いを詰める間に取りだしたアイテムを蓮見は手に持っている。
「くそぉ!」
男が振り上げた剣が蓮見に振り落とされるも足の裏を爆発させることで強引に加速し男の懐に入り込む事で見事回避した蓮見は目を閉じなぜか下を向いて男の顔面に向かってアイテムを突き付ける。
――キラッ!
なんて甘いものではない。
眩しい光をゼロ距離で受けた男は大声で叫ぶ。
閃光弾が目の前で爆発すればそれはもう大パニックである。
目は焼き尽くすような眩しい光にやられ何も見えない。
かといって助けを求めようにも音すらもう聞こえない状態ではもう救いはないと言える。それもこれも【異次元の神災者】の異名を持つ蓮見に手を出した報いなのかもしれない。
「俺はまだ負けるわけにはいかない!」
相手を完全に無力化したタイミングで
「スキル『虚像の発火』!」
もがき苦しむ男の脳天に矢が突き刺さりKillヒット。
あっけなく二人の男がイベント開始直後敗北した。
「スキル『兜割』!』
勝利の美酒に酔う暇もなく、背後からハンマーを振り上げ勢いよく振り落ろしてきた体格の良い女が一人。
目の前の敵を倒したことで気が抜けていた。
反応が遅れたために、諸に一撃を喰らってしまった。
そのまま数メートル吹き飛ばされてしまう。
地面を三回転ほど転がる。
今の一撃でHPゲージが三割減った。
ハンマーは連撃には向かない分、一撃一撃が通常攻撃でもかなり高い。
当然スキルを使った一撃となればそれ以上に強力。
「いてて、不意打ちとはやってくれるぜ」
ハンマーで攻撃された背中をさすりながら立ち上がる。
今の一撃を受け吹き飛ばされたことによって距離は十分。
そう思い弓を構え一射。
スキルを使わずここは様子見を選んだ蓮見。
MPゲージも無限ではない。
極力無駄な消費は避けたい。
というのも、さっきから気になっている相手がいるからだ。
ソイツと対峙すればHP、MPゲージを回復できるかは運次第になってくると思っている。それもあってソイツがいつ来るかわからない以上無駄遣いは控えるべきだと判断したのだ。
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