第3話 いざ占守島

蝉の声がミンミンと鳴り響く中でのんびりと歩きながら師団本部へと歩みを進める。こういうときはアイツと会いたいな。あいつならきっと寒い親父ギャグをいってこの暑い空間を冷やしてくれるんだろうな。


 ともかくもうちょっとでつくからジーオン国制のクーラーがあるはず。そこまで我慢だ我慢だ。




「おはよう日都照衛兵指令」


「おはようございます。正孔中尉」


「一応軍人手帳の確認しますね」


「了解した。これで合っているよな」


「ええ。ご協力感謝します」




 いつ見ても衛兵指令は1人で仕事をこなしているな。さすが、本土のサラリーマン出身の仕事人だな。




「確認できました。ありがとうございます。どうぞ中へ」


「ありがとう。良い年を」




 あー、涼しー。やっぱりクーラーというのは便利な物だ。ともかく、閣下の執務室に向かうか。




---執務室---


「師団長閣下、正孔中尉が到着しました」




 秘書官が閣下に入室の許可を得ている。この人もいちいちめんどくさい人だな。閣下のことだから勝手に入っても笑って許してくれるはずだし、別にいいはずなのに。閣下からいわれても「いえ、規則ですから」って断るからな。やっかいな人だこと。




「いいぞ」


「失礼します閣下。正孔中尉ただいま到着しました」


「うむ。正孔中尉以外は下がるように」




 閣下がそう言うと秘書官らは部屋を出て行った。




「早速だが、移動だ。すでにしっているとは思うが参謀本部人事局から貴官向けに移動命令が出された。占守島守備隊につくとのことだ」




 やはりこのはなしか。




「小官はなぜ占守島に移動するのでしょうか」




 閣下は苦々しい顔で




「残念だが私でも何故かは聞き出せなかった。人事局員に何回も聞いたのだが応えてはくれなかった。だが、何か占守島の方で異変が起きたということだけは聞き出せた。そして千島高速は占守島の手前、柏原ICで通行止めになっているから、一切の情報は手に入れられなかった」


「ということは異常事態でも?」


「それはわからない。だからとりあえずいってくれ」


















 3日後


「正孔中尉、出迎えに上がりました」


「あ、車でいくのか」




 てっきり船で行くのかと思い柏原まで車できたが、ココで車に乗り換えるのね。無駄な気がする。




「無駄ですが規則ですので」

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