ヨガン奮闘記
@sorano_alice
第1話 戦争と復興と
時は一年前。ジン・ガイアール。当時16歳。首都メソッドではアクヌス・ラプテット皇帝がメソッドを収めていた。
戦争は16歳から編成されることになり今回もジンは援護部隊として戦闘に参加する。最大の敵、魔王軍を倒さない限り首都メソッドに平和は訪れないと。
同盟国、ファーランベルク領のファーランベルク騎士団の援護を要請し戦闘準備を整えるが伝令より早く魔王軍は進軍してくる。
魔王デモン。魔王軍の魔王、デモンさえ打ち取れば魔王軍は敗れたも同然。ただしデモンの力はすさまじく街を一人で壊滅させるほどの魔力を用いる。絶対に首都メソッドに入れるわけにはいかない。全力で首都メソッドを死守するアクヌス達。
デモンは前線に立つ。側近のヴァイト、ギスタ、その二体の悪魔もデモンほどではないが恐ろしい力を持つ。
事態は悪化する。突如第三勢力が現れたとの伝令。アクヌスとデモンは対峙している中新たに登場する第三勢力。まだファーランベルク騎士団は到着していない。
魔王軍を倒すことで利害が一致しているセインヅカ帝国、オードウェリー・カナトスはアクヌスと同盟中で戦線で戦っている。竜騎士のオードウェリーはセインヅカ帝国の王子。愛龍セイン、青い龍に乗りブレスを吐き、悪魔たちを、第三勢力たちを一掃する。
急に第三勢力は誰かを守るように戦場のほぼ中心で防戦を始めた。近くには強敵デモン、ヴァイト、ギスタ、さらにはアクヌス、オードウェリーと数々の大将がいるのにも関わらずである。
それは一瞬の出来事だった。何かが光った。戦場で。だからこそジンは魔術、能力を使った。すべてを制止する能力。ジン以外の人物はたとえ魔王であろうとも動けない。ただしこの能力には制限があり持っても一分。途中で切れることもある上に魔力消費量が大きい。
ジンは後方のため光ったことしかわからない。この一分でその場所にまで行くのは無理だ。何キロも先でちょうどアクヌス皇帝が戦っているところだろう。見たこともない光。魔術の限界だ。静止能力は自動的に解かれた。ちなみに魔力が0になってしまうと即死してしまう。
光は徐々に大きくなっていく、ジンは無意識にその光から逃げた。次の瞬間。
ドカァァァァァァァンッ
と爆音がジンの頭を刺激する。何が起こったかわからない。
数分後、ジンは気絶していた。前線で戦っていた人物はいない、いや、違う、灰となっている。魔王軍が進軍してくることもセインヅカ帝国の龍たちをを見ることもなかった。向かってきたのは第三勢力。ジンは逃げた。首都メソッドへ。しかし突破される。第三勢力により首都メソッドは崩落。ジンのように生き残ったメソッド魔術師団は古い都へ散り散り退散した。
古都ヨガン。忘れ去られし都。アクヌス皇帝の姿はない。集まった首都メソッドの魔術師団はそう多くなかった。
そして時は過ぎ、少しずつ情報がわかっていく。あの謎の光の正体は禁術。本来使ってはいけない術式。まるで原爆を落とされたかのようなその破壊力によりアクヌス皇帝、オードウェリー王子、王子の龍セイン、魔王デモン、側近ヴァイト、ギスタは灰となったのだ。
そして禁術を使った彼らは自らをこう呼び旗揚げした。メソッド教団と。
メソッド教団は援護要請に遅れたファーランベルク騎士団を返り討ちにしたらしく、ファーランベルク騎士団の党首、ファーランベルク・ロンギヌスを人質に取られ強制的にメソッド教団と同盟を組む羽目になった。
一方、オードウェリー王子を失ったセインヅカ帝国はオードウェリー・カナトスの娘、ミストリア・カナトスが姫に名乗り出て士気を高めた。ロングの金の髪をした彼女はまだ国を治めるには24歳と若い。白い龍、ホーリーと共に国を治めるため、古都ヨガンにミストリアの従者、黒き長髪のセイン・ルセリオスの使者を送った。黒き龍、ゴルドの乗ってきた彼女はミストリアよりやや若い。
それに対して古都ヨガンで再興をしていたアクヌス・ラプテットの娘、ヒーリア・ラプテットはセイン・ルセリオスとの会談により同盟を締結した。同盟の証にセインヅカ帝国からセイン・ルセリオスの弟、ライラ・ルセリオス、金色の龍、ガルドに乗った金髪の少年をメソッド魔術師団から改名したヨガン魔術師団に加えるよう交渉し、ライラ含め、ヨガン魔術師団が結成された。同盟国はセインヅカ帝国。敵対国はメソッド教団。ファーランベルク騎士団とは敵対する意思はないがファーランベルク・ロンギヌスが人質に取られている以上戦いは避けられないかもしれない。
魔王軍は魔王デモン、その側近ヴァイト、ギスタが全滅しているため警戒しはしないが魔王軍の残党は現れることも考慮しなければならない。
ヨガン魔術師団、セインヅカ帝国、ファーランベルク騎士団、魔王軍残党、そして今一番の権力者、メソッド教団。禁術を使うため何を仕掛けてくるかわからない。
そして現在、ジンは17歳、ヨガン魔術師団のメンバー9人
ジン・ガイアール
能力
自分以外のものを静止させる能力
時間は長くて一分が限界で魔力の消費も激しい。しかし、彼の能力は奇襲などにも対応できるため防御面では優れている。
ナイア・シリウス
能力
物質を違う物質に変える能力。
ジンと同じく17歳。彼の能力は物質に触ればどんな物質にもできるが大きい物質にするにはそれなりの魔力を必要とする。また触らないとできないというのが欠点か。
フレイ・ディナスター
能力
炎を操る能力
彼女はヨガン魔術師団の中では最年少16歳。能力は単純で炎が出せる、その炎で敵を焼き尽くすことができる。一年前の戦闘では15歳だったため戦闘には駆り出されなかったが駆り出されていたら能力的に前線で戦っていたことになるため禁術により灰と化していただろう。
アルハザード・クロウリー
能力
生命を操る能力
彼はジンより一つ年上の18歳。ヒーリア・ラプテットを除き、リーダー格的存在。生命なら人間であろうと操れる。洗脳もできる。一年前の戦闘にも出ていたが後方で生命を持ったゾンビをとりあえず量産するという恐ろしい能力を使っていたため禁術には巻き込まれなかった。
スピリア・ランフォード
能力
不明
彼女はアルハザードと同じ年の18歳。副リーダー的存在。一年前の戦闘にも駆り出されていたが能力は分からないにしても前線で戦っていたはずなのだ。つまり前線で役に立つ能力なのだろう。ここで矛盾が生じる。前線で戦っているため禁術範囲内では確実にあるにもかかわらず生きている。謎が多き人物である。
エリル・シェリス
能力
精霊を呼び起こす能力
年齢はジンと同じ17歳。彼女の能力を簡単に説明するのであれば召喚術師。三体の精霊をいつも身にまとっている。一年前の戦闘にも参加していたが後方で精霊シルフィを使って敵を偵察していた。
精霊シルフィ
緑の姿をした風の鳥のような姿をした精霊。目が良く主に偵察や郵便、配達など戦闘以外にも様々な用途で用いられる。
精霊ドレイク
赤い竜騎士のような姿をした攻撃型の龍の精霊。対した威力ではないがブレスが吐ける。主のエリスに何かがあればドレイクが飛び出してく来てブレスをお見舞いすることだろう。
精霊ブラッディ
蝙蝠のような姿をした眷属に近い精霊。シルフィは目がいいものの暗いところではあまりその能力を活かせない。ブラッディは夜の暗いところでも目が効くため夜はだいたいブラッディが主のエリルを守っている。
キャロット
能力
不明
ジンと同じく17歳、スピリアと同じく能力は分かっていないが一年前の戦闘には参加しなかった。戦闘向きな能力ではないのかもしれない。スピリアと同じく謎の多い人物。
ライラ・ルセリオス
能力
なし
フレイと同じ年齢で16歳。セインヅカ帝国から送られてきた協力者。魔術師ではないため能力は持たないものの金色の龍、ガルドに乗り縦横無尽に駆け巡る。武器は槍を持ち、ガルドはブレスが吐ける。魔術師団にとっては欠かせない前線部隊。
ヒーリア・ラプテット
能力
魔術を見通す能力
アクヌス・ラプテットの娘、年齢は28歳。一年前の戦争は魔王軍の侵攻をアクヌスがしていたためもしアクヌスが敗れた場合後取りがいなくなることを恐れ首都メソッドに避難していた、この時キャロットも一緒にいた。魔術を見通すため彼女はスピリアやキャロットの能力を知っていることになる。彼女こそヨガン魔術師団大将である。
部隊は整った、今こそ進撃を開始せよ。
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