第308話 う~~Part2
誰かが取り憑いた気がする・・・非常に気持ちが悪い。
苺やクルミ、あとは
それから、土砂降りの雨を浴びながら、声に出さないように心の中で
えぇっと、
お願い、これで成仏して・・・あとで線香を供えてあげるから。
強気の行動とは裏腹に、俺は弱い本音も持っている・・・人間だもの。
そんな本音が通じたのか、気持ちの悪さが無くなった。
おそらく、俺に取り憑いていたヤツが、いま成仏したのではないかと思う。それが証拠に、俺の耳元でお礼の言葉が聞こえた。
この調子だ、この調子で、まずはヤツの配下を成仏させる。
こいつ等は、もともと巻き込まれただけの奴ら、好きで
早く成仏をしたい
いいか、次に生まれ変わったら自分勝手に強く生きろ。他人に付け込まれるな。
そんな思いを、取り憑いた奴らに投げかけながら、また一人、また一人と配下の奴らは減っていく。
「え~いッ、何をしておるッ! 小僧っ子ひとり
「けッ、死んだ人間を
俺は挑発を続ける。
何人かは成仏してくれたと思う、だが気付いた事もあるからだ。
配下の奴らが俺に取り憑き、成仏をする度に力が抜けて、半端じゃない疲労感が残る。
このままでは俺自身がもたない。
今はまだ立っていられるが、そのうち地面に膝をつく。
膝をついたところで、上から複数に取り憑かれると、地面にひれ伏して身動きが取れなくなる。
下手をすると、足元にある水たまりに顔を
なので、まだ元気のあるうちに、
しかし、【神として祀れ】だなんて厚かましい事を平気で言うヤツ、
あくまで、自分は命令を出す
ブラック企業の経営者かッ!
そんな
さて、こうなれば我慢比べだ。俺は意地でも膝を地面につけない。弱味を見せない。
そのつもりなのだが・・・う~~頭が痛い、う~~気持ちが悪い、う~~吐きそう。
気持ちと裏腹に身体は正直みたい。
「ねぇ苺さん、あの
「
「どうしましょう、このままでは紋次郎君が倒れちゃいます。藪から出るなと言われましたが、もう我慢できません」
「そうね、ではこうしましょう。
「そうですね、紋次郎君に見つからないようにしないと。だけど、苺さんは大丈夫なんですか?」
「ほほほ、
まわりの様子を見る余裕のない俺は、苺とクルミの計画を知らない。
豪雨に打たれながら滝行を思い浮かべ、
だが、激しい雨に打たれ続けて体調を崩したのかも知れない、大きく咳き込むと何かを足元に吐いてしまった。
う~~気持ちが悪かったからな、お昼に食べた物を吐いたのかな?
しかし、そうではなかった。
俺が目線を下に向けると、足元に広がるそれは赤い液体だった。
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