第275話 祟りの正体
龍神の過去の知り合い・・・・そいつが森の祟りと、どういう風に繋がっているか、今のところまだ何も分からない。
しかし、この話を軽視するな、俺の直感がそう告げている。
龍神の話を聞く限りでは、そいつとはしばらく行動を共にして、あちらこちらで悪事を働いていたそうだ。
まぁ、大昔の話なので、悪事については今更なにも言えない。
コイツ自身、もともと邪悪な存在だったのだから・・・。
だが、悪事を働いた
春先だったその時、まだ
しかも、淵の底にある
化けられるんだったら、もっと他のモノに化けろよな!
「なあ龍神、どうして
「あのな~紋ちゃん。当時のワシ等が、ビーバーとかラッコを知っとると思うか? 仮に知っとったとしても、ダムを作ったり、石で
「そうか、そう言えばそうだな。それで、その
「もう、そがいに
「ちょ、ちょっと待て龍神。なんだ【ず~ちゃん】って? み~ちゃんでもち~ちゃんでもいいのに、なんでず~ちゃんを選んだ? 動物園みたいな呼び方が気になって、他が頭に入ってこない」
「そげな事を言われても、
「なるほど。さすがに、おまえと気が合うだけあるな。かなり変なヤツだったみたいだな」
「そうじゃな、ワシと気が合うヤツは、みんな変なヤツじゃ。その筆頭が紋次郎、あんたじゃ。いい加減、話の腰を折らんでくれ」
「はい、すみませんでした龍神様。オイラは静かにしてますから、話を続けてください」
「ホンマにもう、紋ちゃんが一番変なヤツじゃ。ほんなら続けるで。目覚めたワシがず~ちゃんが住んどる淵に行くと、
「血洗い池? 龍神様、喋ってもいいですか。ダメって言われても喋るけど。いいか龍神、あの森の近くに、その名前の池があるってキーコが言ってたけど、もしかして、そこの事か?」
「そうか、あの淵はまだ残っとるんか。まあ、そうなるよのう。稲作には使えんけど、埋めると祟られそうじゃし、誰も手出しが出来んよな」
「祟られそう? おい龍神、あの森の祟りって、まさかと思うけど、
「そうじゃけど・・・えっ、今頃気が付いたん? 紋ちゃんは安定のバカじゃのう。ワシはのう、ず~ちゃんを始め小さい
「なるほど、だからあの石垣に見覚えがあったんだな。しかし、おめえもあの森を忘れていたくせに、俺だけバカ扱いするな! じゃあ、社が壊れたから祟りが起きるようになったの? えっ、じゃあ、今回祟りが消えたのはどうして?」
「まあ、おそらく、祟りが起き始めた時期と、社が
「消えたように? おい龍神、じゃあ、実際のところ祟りは消えてないのか? それはマズいぜ。桃代のヤツ、あそこの仕事を請け負ったみたいだぜ」
「うん、あそこの森は、もう大丈夫じゃ。それよりも、もっとマズい事態になっておる。紋ちゃん、あんたも気付いたじゃろう。
「うっ・・・やっぱりか。あれって、そういう事なんだ。行方不明になって以来、少し性格が変わった気がするから、不審に思ってたんだよ。なあ龍神、どうしたらいいと思う? 俺は何をすればいいと思う?」
「ええか、紋ちゃんはバカな事を考えんようにしんさい。苺に取り憑いた
「だけど、俺がなんとかしないと。苺は苦手なヤツだけど、桃代が連れて来たヤツだし、キーコも懐いてる。もしも、苺が居なくなれば、おまえも困るだろう」
「バカたれッ! 身体が破裂するって言うたじゃろうッ! 【俺がなんとかしないと?】その考えが
「うっ、そうか、そうだったな、すまん龍神・・・・・だが、そういう事なら、俺に協力するしかないな。何か良い方法を考えろ龍神!」
「げえッ、なかなか
「イヤ、俺は絶対に諦めない。おまえが協力しないつもりなら、俺は単独でなんとかする」
「紋次郎・・・千年前と何も変わってない。あんたは本当にバカじゃのう。なんとかしたいけど、ワシらバカ二人が考えても何も良い方法は浮かばんじゃろう」
うっ、いきなり頓挫した。
確かに、同じ思考のバカ二人、名案なんて浮かぶ
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