第216話 停滞
相も変わらず、龍神は物凄いハイパワーで土砂を巻き上げている。
アイツの爪ってこんなに凄いの? 短い手足のくせに。
その爪で、俺の背中の
コイツに背中を
そもそも、どうして
巻き上がる土砂を
「桃代さん! 見つけたでぇ、大きな岩で塞がっとる。コイツを取り除けば呼吸が楽になるはずじゃ!」
「龍神様も気を付けてください。それを取り除けば、
「ガハハハ、ワシは龍神様じゃあ。この中におる、
「岩が塞ぐ? 中に居る?・・・桃代さん、俺にもわかるように説明してもらえません?」
「あのね紋ちゃん、あそこには井戸があるの。井戸の中には
「そうなの? 井戸なんて、むかしは
「そうね、そう考えるのが普通だと思う。だけど、龍神様の居る真貝の当主がそれを否定してはいけない。紋ちゃんもこの数年で、それを強く感じた
「まあ、そうだな。真貝の当主になって、桃代を筆頭に奇々怪々な連中と出会えたからな。ちなみに、水神様が怒ってる事にキーコも関係があるの?」
「いいえ、キーコは本来関係ない。だけど、キーコが居なくなった事で、井戸を守る
「だから先に
「そうね、
「わかった。俺は何をしたらいい? それと、事情もわかったから、この手錠を外してくれる」
「・・・・まぁ、いいけど・・・間違っても、井戸の中に飛び込まないでよ。いい、紋ちゃんは龍神様が岩を取り除いたら、バッグの中にある水を、井戸に流し入れればいい。水の中には川砂と、お
落ちないように井戸を覗くな、俺はそういう意味で桃代が忠告をしてくれた。
そんな勘違いをしていた。
ただ、そんな事には気付かず、手錠を外してもらうと、桃代の重たいバッグを手にして、急いで龍神のそばに行く。
俺が到着する直前に、デカい岩は取り除かれた。
中を覗かぬよう井戸の石垣に隠れ、俺はペットボトルのキャップを外して水を流し込む。
カラになると次のペットボトルから水を流すが、その度黒い
目に
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